メトラー・トレドのマスコンパレータと計量学

マスコンパレータ(質量比較器)

0.1µgから6,000kgまでの質量校正

マスコンパレータは高い分解能と非常に優れた繰返し性を備えた天びんで、質量のわずかな差異を確認するために使用できます。マスコンパレータは、質量の計量における質量と分銅の校正と検証に最適です。マスコンパレータは、高精度な結果を必要とするあらゆる計量アプリケーションに最適です。

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Service for Laboratory Balances

質量と重量の違いは何ですか?

質量は、物体を構成する物質の量を表す物理量のことです。物体の質量は、宇宙のどの場所で測定を行っても同じです。重量は物体の「重さ」を説明するもので、その物質に加わる重力によって異なります。重力は世界各地で異なり、同じ場所でも高度によって異なります。このため、天びんとはかりは使用する場所で調整する必要があります。すなわち 重量 = 質量 x 重力加速度 であるため、たとえば月面上で計量した物体の重量は地球上の重量のわずか6分の1になります。 ただし、物体の質量は一定です。

マスコンパレータとは何ですか?

マスコンパレータとは二つ以上の器物の質量を比較するための天びんです。特に高い分解能(表示量)かつ理想的な繰返し性を備えているため、微小な質量差を高精度で得ることが可能です。ウィンドウ・レンジのマスコンパレータは、測定範囲を限定し常時最高の分解能で測定できるため、高い精密さが要求される分銅の校正、または測定範囲内の質量差測定に使用されます。しかし、フルレンジのマスコンパレータはきわめて多機能で、計量測定だけではなく、特にサンプルが小さく風袋荷重が大きい場合や、1つの計量プロセスで大量のサンプルと少量のサンプルを組み合わせる必要がある場合など、一般的な計量アプリケーションにも使用できます。メトラー・トレドの担当者が、お客様の個別のニーズに最も適したマスコンパレータを提案するGWP® Recommendation(無料)をご提供しています。  

計量と質量比較の違いは何ですか?

一般的な計量プロセスでは、天びんを校正し、天びんに載せた物の重量結果を0gから測定します。このプロセスは「絶対計量」と呼ばれます。 質量差測定(差分計量)の一種である分銅校正では、参照ポイントは校正済みの質量比較用天びんではなく、テスト用分銅の比較対象の標準分銅です。このため、このタイプの天びんはマスコンパレータ(質量比較器)と呼ばれます。テスト分銅を校正する場合、比較対象の標準分銅は、テスト用分銅よりも分銅等級が少なくとも1等級上の分銅でなければなりません。そして、各標準分銅は、それよりも上の等級の分銅を基準に校正されている必要があります。この一連の連鎖によって、プランク定数に基づくキログラムの定義までの計量的トレーサビリティが確保されます。

マスコンパレータは何に使用できますか?

マスコンパレータの主要な用途は質量校正です。特にクラスM1~M3、F1、F2等級の低い等級の分銅では、手動マスコンパレータで十分な精度の結果が得られます。E1またはE2等級の分銅の場合は、測定の不確かさが格段に小さいロボットシステム型または全自動マスコンパレータをお勧めします。測定の不確かさが小さいのは、主にオペレーターの影響を受けないことによるものです。不確かさを最小限に抑えた測定を求め続ける国家計量標準機関 (NMI)では、一定の条件下での測定が可能な真空または定圧マスコンパレータを利用しています。そのコンパレータでは地理的高度、空気浮力、天候条件などの影響を排除することができます。国家計量標準機関や計量研究センターでは、マスコンパレータを科学的研究に適用し、質量または力の微小な変化を測定しています。

計量アプリケーションの他に、マスコンパレータは、一般的な天びんの性能では顧客のニーズに対応できない他の業界でも広く使用されています。これらのアプリケーションでは、マスコンパレータは高性能天びんと呼ばれます。一般的な用途には以下のようなものがあります。

  • 調合測定: 機器仕様のレベルが低く、天びんの計量範囲が小さく、機器の要件を満たすことはできない場合
  • 質量差測定: 質量差が非常に小さく、通常の天びんでは信頼性の高い結果が得られない場合(測定対象の質量差に比べて不確かさのレベルが非常に高い)
  • ガスの充填測定: 重いガスボンベに比較的質量の小さいガスを充填する場合
  • スカッフィング: エンジンを調査用の潤滑油内で指定時間だけ動作させた後、ギアの摩耗を分析する場合
  • 力の測定: 加えた力が計量セルで補正される場合

マスコンパレータと天びんの違いは何ですか?

マスコンパレータの設計と原理は電子天びんと同様です。マスコンパレータと天びんの違いは性能です。特に最小表示と繰返し性が違います。

ひょう量1kgの場合について、この表で最小表示と繰返し性の違いを説明します。

天びん最小表示繰返し性
上皿天びん XPR1203S1mg0.4mg
手動マスコンパレータ XPR2004SC0.1mg0.25mg
ウィンドウ・レンジのマスコンパレータAX10050.01mg0.02mg
自動マスコンパレータAX10060.001mg0.002mg
定圧/真空マスコンパレータM_One0.0001mg0.0005 mg

 

通常のラボ用天びんは、繰返し性(RP)、偏置誤差(EC)、非直線性(NL)、測定感度(SE)といった主な性能特性が規定されています。しかし、分銅校正は質量差測定となるため、マスコンパレータは質量差測定の繰返し性ABA(RP ABA)が規定されます。

マスコンパレータを校正する必要はありますか?

規制によると、分銅校正に使用するマスコンパレータは校正の必要はありません。これは、テスト分銅は標準分銅と比較されるからです。標準分銅が校正されており、BIPMとキログラムの定義に対するトレーサビリティが確保されているためです。投資を保護し、一定の測定性能を常に確保するために、日常的に監視を実施することをお勧めします。

マスコンパレータを分銅校正以外の用途で使用する場合は、他の分析天びんや上皿天びんと同様に、既存の品質基準をXPR-Cマスコンパレータ天びんにも適用することが非常に重要です。

1キログラムの定義のビデオ

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