ReactRaman in situ ラマン分析
反応速度論、多形転移、反応機構の理解によるプロセス変数の最適化
ReactRaman™ ラマン分光装置により、研究者は反応とプロセスの傾向をリアルタイムで測定し、反応速度論、多形転移、反応機構、また重要なプロセスパラメータ(CPP)の影響に関する非常に具体的な情報を提供することができます。ラマン装置 ReactRamanを使用することで、固体と液体の両方の反応物、中間体、生成物、結晶形の濃度を実験中に変化させながら直接追跡できます。
ReactRamanにより、反応とプロセスを研究、開発、最適化する中で重要な情報を得ることができます。
ReactRaman 802L
高性能な in situ ラマン分光計と直感的な統合型ソフトウェアプラットフォームを組み合わせることで、あらゆる実験で信頼性の高い高品質の反応情報が得られます。
データ収集から分析まで、ラマン分光装置 ReactRamanとラマン解析ソフトウェア iC Raman を組み合わせることにより、すべてのラボで組成分析を行うことができます。自動パラメータ選択により正確なデータ収集が可能になり、研究者は自信を持って結果を得ることができます。すべてのユーザーのすべてのプロセスを初回からいつでも適切に実行できます。
化学反応全体の理解
化学反応を理解するには、ラマン分光計を使用して次の項目を確認する必要があります。
- 反応開始はいつか反応停止はいつか
- どのような結晶多形が生成されているか
- 反応速度論、反応機構、または晶析プロセスはどのようなものか
- 予想どおりに反応したか副生成物が生じたか、その理由は
- 反応温度、試薬添加速度、攪拌速度が変わると何が起きるか
in situラマン分光計を使用した連続モニタリングによって分子構造の経時変化を捉えることが可能となり、反応やプロセス最適化に関する重要な情報を容易に得ることができます。
すべてのラボの安全性
安全インターロックと4つの視覚的インジケータによって安全に作業し、レーザーが使用されていることを簡単に確認できます。ReactRamanとiC Ramanでは、次のすべてのインターロックが満たされている場合にのみレーザーが有効になります。
- 電子検証機能付きSmartConnect™ラマンプローブが、分光計ユニットへの接続と安全な操作を確保している
- サンプリング光学系がプローブヘッドにしっかりと取り付けられている
- ファイバー導管に損傷がない
- フロントパネルのレーザーキーがONの位置にある
- リモートインターロックが作動している(ドアまたはリアクターの蓋など)
小型、高性能
優れた安定性と測定感度を備えたクラス最高の性能を、積み重ね可能なコンパクトなパッケージに収めました。
バッチまたはフロー向けにラボのどこにでも導入できます。堅牢な1つのコネクタが毎回の位置合わせを保証し、固有の安全性が心配のない測定を保証します。
柔軟で多機能なラマン分光計
in situラマンプローブ
センサにはプローブ型(バッチ反応)とフローセル型(フロー反応)があり、液相/固相における反応もモニタリング可能です。目的に適した材料により、幅広い温度、圧力、化学反応に対応できます。
One Click Analytics™
時間分解反応分析に特化した設計のiC Raman™ソフトウェアは、ピークピッキングのアルゴリズムと官能基の情報を組み合わせて解析時間を大幅に短縮します。 続きを読む
反応分析の専門家
メトラー・トレドは反応分析に関する専門知識を30年以上にわたり蓄積しています。 これは当社が非常に注力している事業でもあります。その専門的なノウハウを特定の目的に適したラマン分光計に投入しました。
ReactRaman分光計は幅広い化学反応と条件に対応します。一般的なラマン分光法のアプリケーションには以下があります。
カルバマゼピンの結晶多形の検出
プロセスの反応機構の解明
この例では、カルバマゼピン無水物から二水和物への変換をReactRamanにより評価した例を示しています。
結晶多形を区別するための情報を提供
場合によっては、結晶多形を視覚的に特定できないことがあります。ReactRamanでは、晶析プロセスにおける分子構造の変化についての情報を得ることができます。
構造の安定性を評価
結晶多形の変換をモニタリングでき、生成物の安定性に関する情報を得ることが可能です。
進行の追跡により収率と純度を改善
最適な反応または晶析終点を確認できます。
反応速度論を迅速に判定
1回の実験による一次反応速度論に関する情報が得られます。
包括的な理解と制御のための統合アプローチ
ReactRaman分光計は、次を含む統合製品ファミリーの一部です。
- ReactIR in situ FTIR分光光度計
- in situでリアルタイムに粒子を表示し、測定するEasyViewer粒度分析装置
- EasyMax、OptiMax、RX-10有機合成装置
これらのツールは、反応解析やプロセス開発用に特化して設計されており、iC Software Suiteとの組み合わせによってプロセス全体の理解と制御を可能にします。
ラマン分光計に関するFAQ(よくある質問)
ラマンプローブとは何ですか?
ラマンプローブは、分子からの散乱光を測定することでサンプルの化学組成を分析する技術であるラマン分光法で使用される機器です。プローブは通常、レーザー、サンプルにレーザーの焦点を合わせるレンズシステム、散乱光を測定する検出器で構成されています。この技術の基礎となるラマン効果は、サンプルによる光の非弾性散乱であり、散乱光の波長がシフトします。このシフトはサンプル中の化学結合の特徴であり、存在する分子の同定に使用できます。
ラマンプローブはどのように使用しますか?
- ReactRamanをプラグイン
- ラマンプローブまたはサンプリングテクノロジーを接続
- ラマンプローブを反応容器に配置
メトラー・トレドのin situラマンプローブには耐腐食性材料が使用されており、プローブの寿命と信頼性を向上させています。これらの材料は、過酷な化学環境への暴露に耐えることができ、プローブを損傷から保護するため、頻繁な交換やメンテナンスの必要性を減らすことができます。さらに、耐腐食性材料を使用することで、プローブによる測定の正確さと精度を向上させることもできます。
ラマン分光法とは何ですか?
ラマン分光法のご利用が初めての場合、ラマン分光法の関連資料ページで次の情報についてご確認いただけます。
- ラマン分光法とは何ですか?
- ラマン分光法の原理
- ラマン分光法はどのように機能しますか?
- ラマン散乱プロセス
- ラマン分光法とFTIR分光法の比較
ラマンとFTIRのどちらが私のアプリケーションに適していますか?
ラマン分光法とフーリエ変換中赤外(FTIR)分光法によって、化学サンプルと生体サンプルの構造と組成に関する分子情報を得ることができます。それぞれの技術を統合し、包括的に解析することで、補完的な情報をもたらします。ただしアプリケーションの性質に応じて、いずれかの技術の方がより適切な場合がよくあります。
ラマン分光計の関連資料
学術雑誌におけるラマン分光計
以下は、ラマン分光計に関する厳選した参考資料です。
- Yang, L., Zhang, Y., Liu, P., Wang, C., Qu, Y., Cheng, J., & Yang, C. (2022). Kinetics and population balance modeling of antisolvent crystallization of polymorphic indomethacin. Chemical Engineering Journal, 428, 132591. doi.org/10.1016/j.cej.2021.132591
- Salehi Marzijarani, N., Fine, A. J., Dalby, S. M., Gangam, R., Poudyal, S., Behre, T., Ekkati, A. R., Armstrong, B. M., Shultz, C. S., Dance, Z. E. X., & Stone, K. (2021). Manufacturing Process Development for Belzutifan, Part 4: Nitrogen Flow Criticality for Transfer Hydrogenation Control. Organic Process Research & Development, 26(3), 533–542. doi.org/10.1021/acs.oprd.1c00231
- Wu, Y., Zhang, H., Wang, N., Chen, T., & Liu, Y. (2021). A Study on the Crystal Transformation Relationships of Valacyclovir Hydrochloride Polymorphs: Sesquihydrate, Form I, and Form II. Crystal Research and Technology, 56(12), 2100084. doi.org/10.1002/crat.202100084
- Fang, C., Tang, W., Wu, S., Wang, J., Gao, Z., & Gong, J. (2020). Ultrasound-assisted intensified crystallization of L-glutamic acid: Crystal nucleation and polymorph transformation. Ultrasonics Sonochemistry, 68, 105227. doi.org/10.1016/j.ultsonch.2020.105227
- Ostergaard, I., de Diego, H. L., Qu, H., & Nagy, Z. K. (2020). Risk-Based Operation of a Continuous Mixed-Suspension-Mixed-Product-Removal Antisolvent Crystallization Process for Polymorphic Control. Organic Process Research & Development, 24(12), 2840–2852. doi.org/10.1021/acs.oprd.0c00368
- Wang, Y., Yu, J., Wang, Y., Chen, Z., Dong, L., Cai, R., Hong, M., Long, X., & Yang, S. (2020). In situ templating synthesis of mesoporous Ni–Fe electrocatalyst for oxygen evolution reaction. RSC Advances, 10(39), 23321–23330. doi.org/10.1039/d0ra03111a
- Zhang, S., Zhou, L., Yang, W., Xie, C., Wang, Z., Hou, B., Hao, H., Zhou, L., Bao, Y., & Yin, Q. (2020). An Investigation into the Morphology Evolution of Ethyl Vanillin with the Presence of a Polymer Additive. Crystal Growth & Design, 20(3), 1609–1617. doi.org/10.1021/acs.cgd.9b01341
- Mei, C., Deshmukh, S., Cronin, J., Cong, S., Chapman, D., Lazaris, N., Sampaleanu, L., Schacht, U., Drolet-Vives, K., Ore, M., Morin, S., Carpick, B., Balmer, M., & Kirkitadze, M. (2019). Aluminum Phosphate Vaccine Adjuvant: Analysis of Composition and Size Using Off-Line and In-Line Tools. Computational and Structural Biotechnology Journal, 17, 1184–1194. doi.org/10.1016/j.csbj.2019.08.003