自動反応解析システムのための自動サンプリング
EasySamplerによる代表サンプルの無人採取
ピペットやシリンジなどの手動サンプリングツールで発生する問題を、自動化された化学反応プロセスサンプリングを用いて解消することで、生産性を向上させることができます。EasySamplerによる化学反応のインライン自動サンプリングは、現在のマニュアルサンプリング作業をシームレスに拡張し、すべての研究者の実験ワークフローを効率化すると同時に、手間のかかる手動サンプリングから研究者を解放します。
EasySamplerは無人の自動サンプリング装置で、HPLCなどの標準的なオフライン分析に使用する高品質なサンプルを昼夜を問わずサンプリングします。この特許取得済みのユニークなプローブ式装置はプローブ先端部にマイクロポケットを備えており、以下の特長があります。
- 反応と同じ条件でのin situのサンプリングとクエンチ
- スケジュールされた間隔でのサンプル採取
- オフライン分析に備えたサンプル希釈
- 操作に専門的な知識が不要
化学反応の自動化されたサンプリング
EasySampler1210システム
EasySamplerでサンプリングの課題を解消 – ほぼすべての化学反応プロセスを代表する再現性の高いサンプルを採取することが容易になります。
自動化と無人化
完全な反応プロファイルと反応に関する知見を得ることにより、収率と製品の品質を向上させ、サンプルの見逃しがなくなります。
優れた品質のサンプル
プロセス条件と種が形成されるポイントをリンクさせることにより、反応情報が改善されました。
幅広い化学反応
温度や圧力が上昇した場合でも、スラリー、空気、水分に敏感な反応など、幅広い化学反応のサンプリングを容易に行うことができます。
いつでもHPLC用サンプルを調整
生産性を向上させ、理解を深める
就業時間外や深夜の作業になるなど、就業規則により必要な頻度で反応をサンプリングできないことは珍しくありません。この結果、データ取得ができないことがあります。このような欠落したデータポイントによって、最適な終点検出が困難であったり不純物の形成に関する重要な情報を得られなかったりすることがよくあります。EasySamplerはプロセスを代表する再現性の高いサンプリングを行い、その場でクエンチや希釈も行います。HPLC用のサンプルをいつでも提供します。
EasySamplerを使用したリアクターからのサンプリングにより、反応に対する理解が深まると同時に手間のかかる手作業のサンプル処理が不要になるため、研究者はワークフローと生産性を最適化することができます。さらに生産性を上げるために、サンプリングを自動的にスケジュールすることも、温度、攪拌、試薬添加、pH、その他のリアルタイムのプロセス情報を含む多様なプロセスパラメータの関数としてサンプリングを開始することもできます。
EasyFritフィルタによる液相サンプリング
晶析プロセス開発用の自動化されたサンプリング
EasyFritのシームレスな統合により、EasySamplerの機能を拡張します。EasyFritフィルタはすべてのEasySamplerプローブと互換性があり、懸濁粒子が存在する場合でも液相の選択的なサンプリングを可能にします。このアクセサリは、晶析研究用の操作が簡単な自動化されたサンプリングソリューションを実現します。
EasySamplerとEasyFritを使用すると、晶析全体を制御しながら豊富なデータが得られる実験を実施できます。このソリューションを粒子エンジニアリングワークステーションに組み込むと、不純物プロファイルを作成し、不純物に対する過飽和の影響を明らかにし、晶析プロセスの反応速度論と熱力学的な情報を提供することで溶液相の理解を深めることができます。
プロセスを代表する反応の追跡
致命的なデータギャップを解消
EasySamplerのタッチスクリーンは直感的な操作が可能で、サンプリングや希釈の手順をプログラムしておくことで、反応の進行状況を手動操作なしに追跡できます。この結果、すべての研究者はHPLCやNMRなどのオフライン分析用に代表的なサンプルをサンプリングして、反応経路、反応速度論、中間体、不純物プロファイルを把握できます。
EasySamplerでの自動化されたサンプリングは、丸底フラスコやジャケット式ラボ用リアクターで使用することも、自動化学リアクターとシームレスに統合することもできます。この結果、プロセス条件の変化が反応に与える影響を簡単に確認することができます。
困難な反応からのサンプリング
スラリーから高温まで
特に不均一反応や多相反応また室温以下や高温/高圧での反応の場合、手動サンプリングでは常に再現性が高く高精度のサンプルが得られるとは限りません。一般的に、クエンチ操作に時間がかかると得られる分析情報が不正確になります。EasySamplerは、難しい条件下でもリアクターからサンプリングしクエンチを行うための自動化された堅牢なインライン手法を提供します。
EasySamplerの柔軟性によって、研究者はバイアルから高圧容器やリアクターシステムなどのキログラム規模の装置まで、多様なプロセスから高品質のサンプリングを行えます。
再現性のある代表的な結果
より高品質な実験データポイント
自動化されたサンプリングは、サンプリングエラーをなくし、プロセスと同じ条件で反応を追跡し、オフライン分析の結果を適用します。反応を理解するための重要な役割を果たします。
再現性のあるプロセスを代表する結果は、以下によって得ることができます。
- 各反応条件において、リアクター内の同じ位置でサンプリングする。
- サンプルにタイムスタンプを付ける。これにより記録管理のばらつきにより生じるエラーを回避できます。データは、PATベースのインライン分析メソッドの結果と簡単にまとめることができます。
- 自動的でシームレスなデータ収集。サンプル数を増やし、データ品質を向上させることでデータの豊富な実験をサポートします。
EasySampler – データ量の多い実験に不可欠
能力の拡張
コネクティビティーキットにより、EasySamplerのサンプリングデータは参照元の自動反応解析システムに自動的に転送され、これらと合わせてレポートが作成されます。
自動化されたサンプリングと合成反応装置を組み合わせることで、自動化機能を強化し、生産性を高めます。実験の終了時に接続済みのすべての機器からすべてのデータを収集します。データは共通の場所に保存され、オプションの電子メール通知と各実験のファイルへのリンクが含まれます。
化学反応の自動サンプリングに関するFAQ(よくある質問)
自動反応解析システムのための自動サンプリングシステムとは何ですか?
EasySamplerは、3つのサンプリング手順を1つの自動操作にまとめ、毎回同じ方法でサンプリングを実施して再現性のある正確なサンプリングを実現します。
- 正確なサンプリングでは、プローブ先端からマイクロポケットが外に出て反応液を取得します。この動作によって代表サンプルを確実に採取できます。
- その場でのクエンチによって反応が直ちに止まり、明確な時点での代表サンプリングが可能になります。
- 続いてバイアル内で希釈を行い、オフライン分析用のサンプルを調製します。
これらのステップにより、再現性が高く、代表性のある分析結果を得ることができます。何よりも、自動化されたサンプリングは、あらかじめプログラムされた、あるいはスケジュールされた時間に行うことができます。
自動反応解析システムの自動サンプリングの一般的なアプリケーションにはどのようなものがありますか?
EasySamplerプローブの設定温度範囲を教えてください。
大気圧では、EasySamplerプローブの定格設定温度範囲は-20~140 ℃です。この設定温度範囲内、大気圧で100回のサンプルを測定したら、スリーブを交換することをお勧めします。1.013~10 barの高圧における反応では、設定温度範囲は20~100 ℃です。
化学反応のサンプリングを自動化するのはなぜですか?
オフライン分析のための化学反応のサンプリングでは、分析技術を使用して反応ステータス、収率、または不純物プロファイルを確認するものと理解されています。残念ながら、サンプリング手順は必ずしも正確な作業ではなく、不均一な混合物、高温、スラリー、または空気に敏感な化学を含む反応では困難を引き起こします。クエンチの遅れは、非常にばらつきの多い結果や、誤った不正確な分析データをもたらす可能性もあります。
EasySamplerは、困難な状況下でも反応から代表的なサンプルを取得する信頼性の高い自動化されたインライン技術を提供することで、これらの困難を克服するために開発されました。研究者はEasySamplerを使用して、Pfizer社やその他の製薬企業での合成化学とプロセス開発作業を支援しています。
別のベンダーのリアクターを使用しています。このリアクターでEasySamplerを使用できますか?
はい。EasySamplerはスタンドアローン型装置で、チューブリアクター、丸底フラスコ、ジャッキ式ラボ用リアクター(JLR)、ラボ用自動反応解析システム (ALR)など、あらゆるリアクターで使用できます。次の点について考慮する必要があります。
- EasySamplerプローブのすべてのモデルは直径9.5 mmです。
- 適切なアダプタを使用して、EasySamplerプローブをリアクターポートにしっかりと取り付ける必要があります。
EasySamplerを使用して高圧で反応をサンプリングできますか?
はい。EasySamplerは、次のすべての反応条件が満たされている場合、加圧下で反応をサンプリングできます。
- 圧力範囲: 1.013~10 bar
- 設定温度範囲: 20~100 ℃
- リアクター容量: 最大2500 mL
- スリーブあたりのサンプル数: 1反応(最大24サンプル)
- 高圧アダプタ: 適切な高圧アダプタ(P/N14474404)を使用して、EasySamplerプローブをリアクター内に確実に配置する必要があります。
備考: EasySamplerプローブを高圧(1.013~10 bar)で使用すると、温度範囲が20~100 ℃に、リアクターの最大容量が2500 mLに、スリーブあたりの最大サンプル数が1に減少します(最大24サンプル)。
自動化された化学反応サンプリングの関連資料
学術雑誌における化学反応の自動サンプリング
EasySamplerによる継続的な自動サンプリングは、反応の解析や不純物プロファイリングの研究を支援します。以下は論文審査のある学術誌に掲載された論文のリストですが、ここでは学界と産業界の双方の研究者によるEasySamplerのエキサイティングな新しいアプリケーションを取り上げており、それらは豊富なデータを得られる実験手法をサポートし、研究の進展に貢献しています。
- Lomont, J. P., Ralbovsky, N. M., Guza, C., Saha-Shah, A., Burzynski, J., Konietzko, J., Wang, S.-C., McHugh, P. M., Mangion, I., & Smith, J. P. (2022). Process monitoring of polysaccharide deketalization for vaccine bioconjugation development using in situ analytical methodology. Journal of Pharmaceutical and Biomedical Analysis, 209, 114533. https://doi.org/10.1016/j.jpba.2021.114533
- Ashworth, I. W., Frodsham, L., Moore, P., & Ronson, T. O. (2021). Evidence of Rate Limiting Proton Transfer in an SNAr Aminolysis in Acetonitrile under Synthetically Relevant Conditions. The Journal of Organic Chemistry. https://doi.org/10.1021/acs.joc.1c01768
- Pollack, S. R., & Dion, A. (2021). Metal-Free Stereoselective Synthesis of (E)- and (Z)-N-Monosubstituted β-A...