ALCOA++の原則10項目の順守 | メトラー・トレド
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ALCOA++の原則10項目の順守

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ALCOA++の枠組みによるデータインテグリティの実現

データインテグリティに関するALCOA++は、データインテグリティを実現するための枠組みを定義しており、規制対象の業界にとって特に重要な意味を持ちます。
データインテグリティに関するALCOA++は、データインテグリティを実現するための枠組みを定義しており、規制対象の業界にとって特に重要な意味を持ちます。

データインテグリティは、包括的なプロセスの1つの要素として捉えることができます。組織のライフサイクル全体にわたる実績について、セキュリティ、トレーサビリティ、品質の確保を可能にします。ALCOA/ALCOA+/ALCOA++に規定されている原則には、データインテグリティを目指す取り組みのサポートや、データの帰属性、トレーサビリティなどを確保することが含まれています。

メトラー・トレドは、ALCOA/ALCOA+/ALCOA++の枠組みに基づいて、すべての研究室でデータインテグリティを実現するためのポスターを作成しました。

 

研究室や大学、企業でも、日常的な業務の中でデータ管理とデータインテグリティの向上が取り組まれています。ラボ測定機器や技術者、学生をつなぐ、WiFi、Ethernet、またはBluetooth®などを駆使した接続は、重要な役割を担っています。

データは手書きで集める場合、または電子的な形式で集める場合があります。その方法を問わず、記録がオリジナルであることが不可欠です。手書きで記録したデータをスプレッドシートに転記し、帰属性のない情報で分析する必要がある場合、そのような手書きデータにはリスクがともないます。同様に、たとえば従業員が他者に代わって署名するとデータの有効性は毀損され、データは不完全なものになるか、または記録が安全に保護されません。

ALCOA++データインテグリティの原則は、米国食品医薬品局(FDA)、欧州医薬品庁(EMA)のガイドライン、その他の規制当局によるものです。これらは、特に電子化された記録についてデータインテグリティを維持する上での課題を克服できるように考案されています。

 

データインテグリティに関するALCOA++という略称は、データインテグリティを実現するための枠組みを定義するもので、特に規制対象の業界に重要です

ALCOAは、次の5つの原則に基づく頭字語です。

  • 帰属性(Attributable): アクティビティを実行した人またはシステムを記録する。
  • 判読性(Legible): 記録のライフサイクルを通じてデータが読み取れなければならない。
  • 同時性(Contemporaneous): 活動の時点で記録が残される。
  • 原本性(Original): 原本の記録または認証済みの真のコピー。
  • 正確度(Accurate): ミスがない、また、編集されている場合は修正記録がある。

ALCOAの核となるの原則に加えて、データは以下の要件を満たす必要があります。

  • 完全性: 実行したすべての試験、繰り返しまたは再分析を含むすべてのデータを文書化する必要がある。
  • 一貫性: 一連のイベントなど、分析のすべてのコンポーネントが追跡される。
  • 永続性: 検証済みシステムへの持続的な記録(系統的に文書化)。
  • 可用性: 記録のライフサイクルを通じて、レビュー、監査、検査時にデータにアクセスできる。

これらすべての原則を組み合わせることで、組織はそのデータをALCOA+に準拠させることができます。最近では、コンピュータ化システムに関するEMAガイドラインに次の10番目のALCOA基準が追加され、ALCOA++となりました。

  • トレーサビリティ: データはプロセスとライフサイクルを通じてトレーサブル(変更を含む)。
     
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