
As-Found/As-Left校正:トレーサビリティの確保と品質管理の強化
サービス実施前後の性能評価により、はかり・計量機器の測定結果の信頼性を確保
天びんやはかりを使用する際には、サービス作業の実施前後における性能を正確に把握することが重要です。As-Found および As-Left の校正データは、それぞれ異なる目的を果たします。:
As-Foundデータ:調整前に機器がどの程度の精度で動作していたかを示します。
As-Leftデータ:調整後の性能を示すとともに、今後期待される測定精度の基準となります。
これら両方のデータを文書化することで、天びんやはかりが要求事項を満たしているかどうかを判断できるだけでなく、ISO 9001:2015、ISO/IEC 17025、GMP、および各種薬局方をはじめとする多くの規格要件への対応にも役立ちます。
メトラー・トレドでは、あらゆる校正ニーズに対応するため、As-FoundおよびAs-Leftによる計量機器校正について、世界共通の標準化されたアプローチを提供しています。必要な結果や情報を、1つの文書で確認できます。


As-Found校正とは何ですか?
As-Found校正では、サービス技術者が調整や修正を行う前の天びんまたははかりの状態を記録します。As-Found校正は、前回の校正以降に発生した可能性のある問題を特定し、その影響を最小限に抑えることで、根本原因の究明や将来的な問題の防止に役立ちます。
As-Found校正の結果から、次のことを確認できます:
前回の校正以降に発生したドリフトや摩耗
調整前に機器が許容範囲内で動作していたかどうか
As-Foundデータを分析することで、計量プロセスの透明性が向上し、長期的な性能傾向を把握するとともに、業界標準への継続的な適合を確保しやすくなります。
なお、As-Foundは「As Received」と呼ばれることもあります。



= 過去

= 調整前の校正データ(As-Found)

= 校正日
As-Left校正について
As-Left校正では、調整を含む是正処置の実施後における機器の性能を評価します。As-Found校正後に、機器の性能に影響を与える処置が実施された場合は、As-Left校正を行う必要があります。こうした処置には、以下が含まれます。
調整
内部清掃
機器の移動や設置姿勢の変更
機器設定の変更
工具を使用した機器への作業
As-Left校正の結果により、サービス作業完了後の通常運用時に期待される計量精度を確認できます。また、機器が用途に適していることを文書化するためにも役立ちます。
As-Left校正証明書は、サービス技術者による作業完了後における機器の計量精度を証明するものです。
なお、As-Leftは「As Returned」と呼ばれることもあります。



= 校正日

= 調整後の校正データ(As-Left)

= 未来
As-FoundおよびAs-Leftデータのメリット
- 品質保証: 経時的な計量性能の変化を評価
- 規制遵守: ISO/IEC 17025、GMP、FDA、および各種薬局方への対応
- 判断基準: 要求精度および用途適合性の確認
- 監査対応記録: 完全なトレーサビリティの確保



= 過去

= 調整前の校正データ(As-Found)

= 校正日

= 調整後の校正データ(As-Left)

= 未来
認定を受けたメトラー・トレドサービス技術者による校正プロセス

As-Found校正
認証済み分銅を使用し、管理された環境条件下でAs-Found測定値を記録

性能評価:
機器の性能が要求事項を満たしているかを確認。満たしていない場合は、調整またはその他の対応が必要となる場合があります。

調整(必要な場合):
校正結果に基づいて機器の性能を最適化。メトラー・トレドの天秤およびはかりは、当社独自のソフトウェアを使用する認定サービス技術者のみが調整可能です。

As-Left校正(必要な場合):
As-Found校正後に機器の性能に変化が生じた場合は、As-Left校正を実施する必要があります。As-Left校正が必要となる作業には、調整、工具を使用した作業、機器設定の変更などが含まれます。

性能評価:
機器の性能がお客様の要件を満たしていることを確認。

証明書の発行:
As-FoundおよびAs-Leftの結果を1つの報告書に集約して提供。性能が要求事項を満たしていることを文書で証明し、監査対応を支援。
天秤とはかりの校正によるメリット

一貫した品質
再現性の高い測定結果に基づく、一貫した製品品質の実現

コスト削減
材料ロスおよび再加工にかかるコストの削減

コンプライアンスの確保
適切な品質管理プロセスによる継続的な監査対応
よくある質問(FAQ)
なぜAs-Left校正だけでは不十分なのでしょうか?
As-Found校正とAs-Left校正は、規格や規制要件への適合を求める場合や、監査に備えるうえで重要です。
保守や調整の実施後の性能のみを評価するAs-Left校正だけでは、過去の測定結果に関する明確なトレーサビリティや適合性を証明することはできません。これは品質上のリスクにつながる可能性があります。
そのため、As-Found校正およびAs-Left校正は、ISO 9001:2015、ISO/IEC 17025、GMP、ならびに各種薬局方をはじめとする、さまざまな規格や規制要件において求められています。
As-Found校正が不適合となった場合、どのような対応が必要でしょうか。
As-Found校正で問題が確認された場合は、前回の適合した校正以降に取得した計量結果について、その影響を評価する必要があります。品質マネジメントシステムに、取るべき対応に関する指針が定められている場合もあります。また、問題の影響を最小限に抑えるため、根本原因を特定するとともに、将来的な再発防止に向けた対応を行うことが重要です。問題の重大性や潜在的なリスクに応じて、製品品質や測定品質を維持するための適切な是正措置および予防措置を講じる必要があります。
As-Found校正が不適合となった場合、メトラー・トレドのサービス技術者は、As-Left校正を実施する前に機器性能の改善に必要な調整を行います。メトラー・トレド製機器の性能を最適化するための専用調整は、認定を受けたメトラー・トレドのサービス技術者のみが実施できます。さらに、校正と校正の間に発生する性能上の問題のリスクを最小限に抑えるため、定期点検計画の策定についてもご支援します。これにより、将来的なAs-Found校正の不適合発生リスクの低減につながります。
As-Found校正およびAs-Left校正は、どのくらいの頻度で実施するのがよいでしょうか。
一般的には、使用状況、機器の重要度、および使用環境に応じて、6~12か月ごとの実施を推奨しています。
お客様の使用状況やリスクに応じた最適な実施頻度を決定するため、GWP Verification でははかりおよび天びん向けの品質保証プランを提供しており、以下を含みます:
校正および保守サービスの実施頻度
実施頻度、試験方法、分銅および許容差を定めた定期点検計画
これらを組み合わせることで、計量機器の日常運用に必要な品質保証計画を構築し、監査への備えを強化できます。
校正と調整にはどのような違いがありますか。
校正は、現場の使用条件下における測定不確かさを定量化し、計量機器の性能を評価するものです。一方、調整は計量機器の特性を変更する作業です。サービス技術者は、表示値が適用した基準分銅にできる限り一致するように調整を行います。





