溶存酸素電極

適切な溶存酸素測定のための光学式/ポーラログラフ式/ガルバニ式電極

溶存酸素電極は、溶液に溶解している酸素の量を測定します。品質の指標として、製品に含まれる非化合物の遊離酸素の量が測定されます。製薬の開発研究、食品・飲料の品質管理、環境モニタリングなどで使用され、洗浄にも対応する長寿命の安定した測定結果を提供します。メトラー・トレドは、幅広いラボアプリケーションで正確なDO測定を行うための光学式/ポーラログラフ式/ガルバニ式電極を提供しています。

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FAQs

溶存酸素(DO)測定には、どのタイプの電極を使用できますか?

以下のタイプの溶存酸素センサを、ラボとフィールド(屋外)のアプリケーションに使用できます。

a. 光学式溶存酸素電極(InLab OptiOx

b. ポーラログラフ式溶存酸素電極(InLab 605

c. ガルバニ式溶存酸素電極(LE621

 

光学式溶存酸素電極はどのように機能しますか?

光学式DO電極では、センサの先端にある膜に埋め込まれた特殊な染料を使用します(図参照)。この染料は、センサが内部で発する青色光を吸収することで励起します。励起した染料は基底状態に戻ると赤色光(蛍光)を放射し、それがセンサ内部の受光素子で測定されます。膜の外面に酸素分子が存在すると、励起した染料の過剰エネルギーを吸収します。この吸収によって、受光素子に到達する蛍光の量が減少(クエンチ)します。サンプルに含まれる酸素が多いほど、蛍光のクエンチ量が増え、測定される信号が小さくなります。センサには赤色の光源も搭載されています。この光は染料を励起しないので蛍光を発生させず、染料で反射され受光素子で測定されます。この赤色光を基準光として使い、例えば染料の減衰や受光素子の温度依存性感度などによる、酸素のクエンチによらない受光量の減少を考慮します。詳しくは、以下のビデオをご覧ください。
 

OptiOxを使用した光学式溶存酸素測定

OptiOxを使用した光学式溶存酸素測定

 

 

光学式溶存酸素電極
光学式溶存酸素電極

 

 

ポーラログラフ式DO電極はどのように機能しますか?

この電極には銀アノードがあり、金またはプラチナ製の貴金属カソードに囲まれています。この電極は、機器から供給される定電圧により分極します。その結果、アノードには正の電荷、カソードには負の電荷が生じます。膜には電解質であるKClが含まれており、この膜により電解質とサンプルが分離します。電極に酸素が入ると、酸素分子がカソードで還元されて水酸化物イオンが形成されます。分極ポテンシャルは一定に保持されるので、酸素反応によって電気信号が増加します。この作用は、サンプル中の酸素分圧に比例します。電極は、銀アノードが酸化されて消費される化学反応を利用しています。対照的に、カソードは貴金属であり反応には関与しません。代わりに、カソードがもたらす面では、アノードから導線を通じて移動する電子によって酸素が還元されます。

ポーラログラフ式DO電極
ポーラログラフ式DO電極

 

 

ガルバニ式DO電極はどのように機能しますか?

2つの電極を含んでおり、アノードは一般的に亜鉛または鉛製で、カソードは一般的に銀または他の貴金属製です。電極同士は配線でつながっており、その間を電流が流れます。これらのコンポーネントはシャフトに収められており、シャフトは酸素を選択的に透過させる膜で密閉されています(図参照)。電解質は、水溶性かつアルカリ性のものでなければなりません。電極に酸素が入ると化学反応が起こり、アノードが酸化されて(電子を供与)消費されます。
対照的に、カソードは貴金属であり反応には関与しません。カソードは、酸素還元が起こる反応面として存在します。電子が導線を通じてアノードからカソードに移動すると電流が生じ、その電流がDOメーターで測定されます。システムに入る酸素が多いほど、発生する電流が増えます。
 

ガルバニ式DO電極
ガルバニ式DO電極

 

 

ポーラログラフ式とガルバニ式の溶存酸素電極の違いは何ですか?

特性

ガルバニ式DO電極

ポーラログラフ式DO電極

  • アノード材質
  • カソード材質
  • 分極
  • 分極時間
  • アノード消耗
  • 酸化生成物の最終状態
  • 動作原理の固有の結果
  • 亜鉛または鉛
  • 自己分極化
  • なし
  • 常時
  • 電解液に析出
  • 沈殿物が隔膜を覆い、酸素に対する隔膜の透過性を低減させる
  • センサが使用中か否かにかかわらずアノードが消耗
  • ほとんどの場合は銀
  • 金またはプラチナ
  • 測定機器による分極の促進
  • 数時間(約6時間)
  • 測定中のみ
  • アノードに蓄積
  • 酸化生成物がアノードを被覆し、センサの感度を低減させる
  • 測定前に数時間の分極時間が必要

 

以上から、ガルバニ式センサではウォームアップ時間が不要で、ポーラログラフ式電極と比べて、溶存酸素が低いレベルではより安定しています。これとは対照的に、ポーラログラフ式センサの寿命はより長くなります。個別のセンサの動作原理について詳しくは、上記の質問3と4を参照してください。

 

ラボ用DOセンサは測定前に電極の準備が必要ですか?

a. 電気化学センサでは、膜の完全性をチェックする必要があります。さらに、電解液を補充するタイプの場合、電解液の補充が適切であることを確認する必要があります。
b. ポーラログラフ式センサを使用する場合、センサの適切な分極を確認する必要があります。
c. ラボ用光学式DOセンサは、使用前の準備は不要です。

 

光学式溶存酸素電極は測定前に校正が必要ですか?

標準的な酸素測定では、酸素飽和度100%(水飽和空気)で1点校正を行えば、多くの用途に十分対応できます。低酸素濃度測定(10%または0.8 mg/L未満)では、2番目の校正点を設け、無酸素標準液(酸素飽和度0%に相当)を使用することが推奨されます。このためには、ゼロ酸素タブレットを水に溶かし、水の中に溶存する酸素をすべて除去します。

 

ラボ用DOセンサはサンプルの測定中に攪拌する必要がありますか?

電気化学で使用するラボ用DOセンサの場合は、測定中にセンサが酸素を消費するため、攪拌が必要です。攪拌は一定の速度で行う必要があります。電気化学用の電極とは対照的に、光学式DO電極の場合は酸素を消費しないので撹拌は必要ありません。測定時間を短縮するために、測定を開始する前に電極の先端をサンプルに浸ける必要があります。先端を浸ける手順により、酸素濃度と温度を平衡させることができます。電極の先端に気泡ができないようにしてください。気泡ができると、気泡の酸素濃度も測定されるので、誤った測定結果につながります。  

ラボ用DOセンサによる測定
ラボ用DOセンサによる測定

 

 

ラボ用DOセンサの保管方法は?

  • 保管に関する全般的なヒントとコツ:
    測定後は、センサを水で洗浄し、柔らかいティッシュで水を拭き取ります。特に生物学的サンプルを測定する場合は、微生物が増殖しないように注意してください。 最適なパフォーマンスを得るために、センサは温度5~45 ℃の安全な環境で保管し、温度の急変は避けてください。

  • ラボの用途に使用するガルバニ式DOセンサ:
    短期の保管では、必ず脱イオン水ですすぎ、保存液に入れておきます。長期保管の際には、短絡させて(持続的な自己分極による劣化を防ぐため)冷所で保管する必要があります。

  • ラボの用途に使用するポーラログラフ式DOセンサ:
    短期保管の間は、6時間かけて分極させる必要性を避けるために、機器に接続したままでもかまいません。長期保管の際には、機器に接続したままでは持続的な分極によって寿命が徐々に短くなるので、必ず機器から取り外します。センサ内部に電解液を満たし隔膜に保護キャップをかぶせた状態では、数か月間の保管が可能です。ただし、3か月以上の保管の後にセンサを再び使用するには、電解液の交換が必要です。6か月以上保管する予定であれば、電解液を抜いておく必要があります。

  • ラボ用光学式DOセンサ:
    光学式センサは、乾燥した状態で保管してください。交換式の膜モジュールを備えたセンサ極では、性能低下の兆候が見られたらすぐに膜モジュールを交換してください。


 

メトラー・トレドのラボ用DOセンサは防水仕様ですか?

大半の電極はIP67認証を受けており、ポータブルシステム全体が湿潤で過酷な環境条件への耐久性を備えています。

 

メトラー・トレドのラボ用DO電極は温度も測定できますか?

弊社のラボ用DOセンサの大半には温度センサが内蔵されており、サンプルの正しい温度を測定できます。

 

InLab 605ラボ用DOセンサは、フィールド(屋外)アプリケーションにも使用できますか?

このDOセンサはグラスファイバー強化PPSシャフトとスチールメッシュで保護された測定膜を備えており、過酷な用途に最適です。

 

生物学的酸素要求量(BOD)とは何ですか?BOD測定が必要な理由とは?

生物学的酸素要求量(BOD)は、バクテリアなどの微生物が指定の温度で好気条件において有機物を分解するときに消費する酸素量を表します。BODは水処理施設での重要なパラメーターで、水中の有機物汚染の度合いを示します。詳細については、このトピックに特化した弊社ガイド「生物学的酸素要求量・理論から実践まで」をご覧ください。SevenExcellence DOメーターを使用すると、独自のBOD測定プロセスを瞬時にセットアップできます。

生物学的酸素要求量(BOD)の測定
生物学的酸素要求量(BOD)の測定

 

 

ラボ用光学式DOセンサはBOD測定にも使用できますか?

はい、InLab OptiOxはBODの測定に最適な仕組みです。専用のOptiOx BODアダプタを使用すると、センサがあらゆる標準的なBODキャニスターでの測定に完全に適応します。

 

光学式DOセンサが使用できるのは、ラボのアプリケーションのみですか?

いいえ、InLab OptiOxの堅牢な設計と適合するアクセサリによって、ラボ内と屋外の両方でさまざまなアプリケーションに最適なセンサとなります。スチール製のOptiOxプロテクター(下図)は、過酷な環境でセンサを保護します。プロテクターは軽量で、低い測定位置にも簡単に延長できます。

スチール製OptiOxプロテクター
スチール製OptiOxプロテクター