この度はメトラー・トレドのJCSS校正またはACC校正をご依頼いただきありがとうございます。本ページでは、JCSS・ACC校正証明書の記載内容を詳しく説明します。

JCSS / ACC校正証明書の活用術
JCSS校正証明書、ACC校正証明書の記述事項の徹底解説
概要

完了項目:校正(測定の不確かさを求める行為)
天秤、はかりの測定値(指示値)は、据付けられている環境で校正を行い、測定の不確かさを明確にしない限り信頼することはできません。また、天秤、はかりを毎日頻繁にまたは長期的にご使用いただく中で計量セルと呼ばれる中枢機能が変化・劣化するため、定期的な校正が求められます。

推奨項目:プロセス管理要件の判定(校正結果とプロセス管理要件を比較)
校正結果の判定はどのように行われていますか?
重要なポイント:校正結果は校正の中で検査される計量特性(繰返し性、偏置誤差、非直線性)で判定することはできません(繰返し性の標準偏差、偏置誤差・非直線性の偏差は、あくまでも校正結果の要素の一部であり、総合的な校正結果を適切に評価する要素には該当しません)。
天秤、はかりユーザーの測定の目的となるプロセス管理要件の判定が校正結果の適切な評価方法、判定方法となります。詳しくは、GWP TM Certificateの解説ページをご確認ください。
注記:証明書によっては、各国のISO/IEC 17025認定機関の要求事項や言語の違いにより表現が若干異なる場合がありますが、基本的な証明書の内容は同じです。
1| グローバル・スタンダード(世界標準)を採用:国際的な規制要件においても最も信頼性が高く、最新のEURAMET cg-18の校正ガイドライン(Calibration Guideline)を採用しています。
2 | 整備前校正/整備後校正:電子天秤のJCSS/ACC校正証明書では「整備前校正」が標準対応となります(産業用はかりではオプション対応となります)。「整備前校正」とは、修理または整備を行う前の計量機器の性能状態である「測定の不確かさ」を求める校正作業です。直近の校正結果から整備前校正までの測定結果の妥当性を担保するという観点からも整備前校正は重要な校正記録となります。ISO/IEC 17025におきましても、整備前の校正記録を残すことが推奨されています。「整備後校正」とは、修理後、調整後の計量機器の性能状態である「測定の不確かさ」を求める校正作業です。電子天秤、産業用はかりのどちらの製品におきましても「整備後校正」は標準対応となります。
3 | 計量機器の校正頻度は、ISO, GMP, GLPではリスクを評価した上で適切な頻度を設定されることが推奨されています。メトラー・トレドではお客様のリスクマネジメントをサポートできるサービスとして、「GWP Verificationサービス」をご提供しています。詳しくはこちらへ
4 | 繰返し性とは、繰返し性の条件下(同一測定手順,同一オペレータ,同一測定システム,同一操作条件及び同一場所を含む一連の条件,並びに短時間での同一又は類似の対象についての複数回の測定で構成される測定の条件。)で行われる一組の測定で、測定の精密さを示します。
5 | “d”とは「目量(めりょう)」または「最小表示値」と呼ばれる計量機器で表示できる最小単位の値です。例えば、目量(d)=1gの場合、2dの値は2×1g=2gとなります。
6 | 偏置誤差とは、計量皿を真上方向から見た場合に,中心位置に荷重を加えた際の表示値に対して,中心から離れた箇所(例えば,四角形の計量皿であれば対角線を四分割した四隅の点)に荷重を加えた際の表示値の変化の程度です。
7 | 非直線性とは、零点から最大ひょう量値の範囲を分割した各荷重点(例えば,0 %,25 %,50 %及び100 %付近)において,零点から最大ひょう量点までの理想直線からの偏りの程度を示します。
8 | 拡張不確かさとは、合成標準不確かさを包含係数(k)で積算した測定の不確かさです。合成標準不確かさの信頼の水準が約68%に対し、包含係数k=2で積算された拡張不確かさは信頼の水準が約95%まで上がります。信頼の水準約95%とは、計量計測学(Metrology)では包含係数k=2が一般的です。重要:「測定の不確かさ」が含まれていない文書はあくまでも検査報告書であり、校正証明書とはなりません。
9 | k (包含係数)とは、拡張不確かさを得るために合成標準不確かさに乗じる数として用いる数値係数であり、包含係数は通常2から3の範囲になります。
10 | 使用中の測定不確かさは、日常的に校正された計量機器をご使用いただいている中で、計量機器で測定された際の指示値に含まれる測定不確かさです(使用中の測定不確かさの求め方は本解説の13をご確認ください)。「使用中の測定不確かさ」には、計量機器の据付環境(温湿度、気圧)が考慮されています。また、「使用中の測定不確かさ」は校正時に求められた測定の不確かさとは異なります。メトラー・トレドのJCSS・ACC校正証明書のユニークな特徴の一つに「使用中の測定不確かさ」が含まれます。
11 | 温度ドリフトは、据付場所における2回の校正間の推定温度範囲と機器の温度係数を考慮して定量化します。測定感度の温度ドリフトは、日常使用の測定性能に影響を与えます。
12 | K(ケルビン)は、国際単位系(SI)で示された温度の単位です。1℃の変化は1Kの変化と比例します。
13 | 不確かさ方程式は、校正結果より導き出された「使用時の測定不確かさ」を算出できる方程式です。整備後を例とすると「U1=26g+0.935g/kg・R」を示された方程式が「測定不確かさ方程式」に該当します。この方程式の「R」に指示値を挿入すると指示値に含まれる使用中の測定不確かさが算出できます(指示値の質量単位kg, g, mgにご注意ください)。例:指示値=1kgの場合、U1=26g+0.935g/kg・1kg=26g+0.935g, U1=26.936kgとなり、1㎏という指示値には±26.936gの不確かさが含まれることになります。
14 | 様々なはかり取り量の絶対および相対不確かさの例は、最大ひょう量値(右図の例:1200㎏)に対して0.01%, 0.1%, 1%, 10%, 50%, 100%の値(1.2kg, 12kg, 120kg, 600kg, 1200kg)を「はかり取り量」とした場合に、各「はかり取り量」に含まれる測定不確かさの絶対値(絶対不確かさ)を「測定不確かさ方程式」より導き出します。また、該当する「はかり取り量」に含まれる測定不確かさの絶対値の量を相対値(%)で示し、「はかり取り量」「絶対不確かさ」「相対不確かさ」を表で示しています。相対不確かさで示される%の値が、測定で見込まれる許容管理幅(プロセストレランス(安全係数=1))に該当します。
15 | 校正/検査に使用した機器が記載されます。
16 | 校正/検査に使用した機器の個々の情報が記載されます。











