ケーススタディ

巨大金貨を計量する特別なはかり

ケーススタディ

チェコ国立銀行は、同行の巨大な記念金貨の重さが130kgあることを実証できました。 実は、金貨の重量130.24kgを測定できたのは、メトラー・トレドの計量機器がその正確さを発揮したからです。 この硬貨は、世界最大の彫刻付き硬貨の1つです。

チェコ国立銀行は、チェコスロバキア通貨の100周年を記念して額面1億チェココルナ(発行時点で440万米ドル相当)の特別な金貨を発行しました。

チェコ国立銀行、流通通貨・通貨防衛部門で博士号を持ちチーフエキスパートを務めるJaroslav Moravec氏が、巨大硬貨を製造して発行するというアイデアを思いついたのです。 スイス企業Metalor社、ウィーンのオーストリア造幣局、そしてチェコ造幣局が協力してこの硬貨を製造しました。

メトラー・トレドのサービス技術者は、完成した硬貨を同社の高精度台はかり(Model PBK987-CC150)と計量指示計(Model ICS685)を使用して計量しました。 これほど大きな硬貨の計量は、一筋縄ではいきませんでした。

 

正確な測定値 - 130.24kg
正確な測定値 - 130.24kg
この130kgの金貨は、世界最大の彫刻付き硬貨の1つです。
この130kgの金貨は、世界最大の彫刻付き硬貨の1つです。

絶対的な精度を生むチームワーク

メトラー・トレドのチームは、時間に制約されながら、難しい環境条件の下で、さらには計量プロセスをフィルムに収める撮影スタッフの目を意識しながら、正確な計量結果を求めて作業にあたりました。

メトラー・トレドのサービス技術者、Tadeáš Hlaváček氏は、2日間の日程で24時間を費やし、機器の準備、設置、校正を行いました。 チェコ造幣局は山岳地帯にあるので、高い標高で冬の条件に合わせて機器を制御する必要がありました。 また、大型硬貨計量用の特製フレームを作り、さらに計量プロセス中の外力を排除するため、はかり用にもう1つフレームを作成しました。

硬貨作成ビデオ

Tadeáš氏は、かつてない挑戦について次のように述べています。「この硬貨はチェコ国家とチェコ国立銀行の歴史にとって非常に重要なこともあり、プロの撮影スタッフが計量工程での私たちの作業を撮影しました。 計量を正しく行いながら、同時に撮影監督の意向に従うのは本当に難しい作業でした。」

詳しくは、硬貨作成ビデオ(英語字幕付き)をご覧ください。

新生児の体重を計るように

チェコ計量標準機関の計量分野の保証人、Lukáš Běhal氏は、測定プロセスの管理、結果の処理、および校正証明書の発行を担当していました。 「これほど大きな金貨の重さを量るのは特別な経験でした。 私の仕事は測定と計量ですが、これほど美しく価値ある物を計量する機会はかつてありませんでした。 計量したのは額面1億チェココルナの純金なので、ほんの僅かでも傷つけてはなりませんでした。 大切な新生児の体重を量るような気分でした。」

硬貨の展示

完成した硬貨は、チェコスロバキア通貨100周年を記念して、ユネスコ世界遺産に登録されているプラハ城に展示され、 硬貨の展示は市民の人気の的になりました。 現在は、チェコ共和国の国庫の一部として、プラハのチェコ国立銀行に展示されています。

ご存じですか?

金貨は法定通貨ですが、何かの支払いに使われることはあり得ないでしょう。 額面価格は1億チェココルナに固定され変わりません。 この額面価格は実際の金の価値より低く設定されており、金の価値が下がった場合に投機対象になるのを防いでいます。

メトラー・トレドのサービス技術者、Tadeáš Hlaváček氏は、機器の準備、設置、校正を行いました。
メトラー・トレドのサービス技術者、Tadeáš Hlaváček氏は、機器の準備、設置、校正を行いました。