ISO 9001 – 計量と校正への影響
コレクション

ISO 9001:2015 – 測定・計量プロセスへの影響

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品質マネジメントを目的としたリスクに基づくプロセス手法を順守する方法

ISO 9001:2015と計量器への影響

最新のISO改訂版に準拠したリスクと品質の管理

このホワイトペーパーは、以下のことを目的としています。

  • 改訂版ISO 9001:2015規格の変更点の説明
  • 変更点が計量器と計量プロセスに与える影響の考察
  • リスクに基づいたプロセス手法の順守に関するガイドラインと推奨事項の提供
  • Good Weighing Practice™の紹介。GWPはISO 9001:2015に完全に適合し、
    リスクに基づく手法を品質マネジメントシステムに容易に実装
    する方法をもたらします。

ホワイトペーパー「ISO 9001:2015と質量測定」をダウンロード

ISO 9001とは何ですか?

ISO 9001は、品質マネジメントシステムの要件を規定する標準です。 この標準は、1987年以来、企業や組織での効率性や顧客満足度の向上に寄与しています。 ISO 9001は、最新のビジネス環境に合わせて定期的に改訂されています。 現行版は、2015年9月に発行されたものです(ISO 9001:2015)。

ISO 9001:2015は、あらゆるタイプの組織に柔軟に対応するように、「品質」や「顧客のニーズへの対応」の目標について、その中身を意図的に規定していません。 代わりに、組織が自分たちで目標を定義し、それを達成するためにリスクに基づく手法を活用してプロセスを継続的に改善していくことが求められます。

リスクに基づく手法を適用するためにサポートが必要ですか?

「リスクに基づく手法」とは何ですか?

リスクに基づく手法では、組織が自ら直面するリスクと機会を特定、評価し把握することが求められます。 さらに組織は、そのリスクを許容できるレベルとできないレベルに分類し、レベルに応じた適切なリスク緩和措置を取る必要があります。 ISO 9001:2015では、リスクに基づく考え方と意思決定が求められます。

ISO 9001は、測定機器にどのように当てはまりますか? 

計量などの測定は重要なプロセスステップであることが多く、最終製品の品質に大きく影響します。 このため、計量機器や測定機器は、ISO 9001:2015に規定されているプロセストレランス(許容管理基準)とリスクに基づく考え方の範疇にあると見なす必要があります。

ISO 9001:2015のChapter 7.1.5「Monitoring and measuring resources(監視と測定のためのリソース)」には、測定機器の要件の説明があります。 そのような機器の最適な選定とメンテナンスについて述べられています。 計量学的トレーサビリティ(定期的な校正により実現される)は別の項の要件です。 

ISO 9001:2015では測定機器に関する変更はありますか? 

従来版と表現は異なりますが、測定機器の要件についての大きな変更はありません。 業務手順が「旧」版を満たしていれば、新版の要件も満たします。

ISO 9001:2015の主な変更点

1. 上位構造
ISO 9001では新しい構造が導入されており、他のISO管理システム標準と同じように、ISOコミュニティ内で開発された総合的な上位構造(HLS: High-Level Structure)に準じています。これにより一貫性を得られ、複数のマネジメントシステム(環境マネジメント、品質マネジメントなど)の利用が容易になります。

2. リーダーシップと取り組み
ISO-9001:2015改訂版では、経営陣が品質マネジメントシステム(QMS)へのリーダーシップと取り組みを具体的に示すことが求められています。 これにより経営陣はQMSの効果について説明する責任を果たし、利用可能なリソースを確保し、継続的な改善を促す必要があります。一方で、プロセスアプローチとリスクに基づく考え方の採用は、経営陣の責任だけに留まりません。全従業員が取り組むべき課題であり、企業文化の重要な要素となる必要があります。つまり、品質は全社をあげて実践し達成すべきものであり、品質管理者または品質管理部門だけに特化した責任ではありません。

3. プロセス手法
2000年以来、プロセス手法はISO 9001の重要な要素であり続けており、2015改訂版でもそれは変わりません。 改訂版では、リスクに基づく考え方を全面的に踏まえて、各プロセスを管理するためのPDCA(計画、実行、評価、改善)サイクルの採用によるプロセスパフォーマンスの改善と、システムとしての各プロセスの相互作用に焦点を当てています。 ここで重要なのは、企業が適合製品やサービスを提供する能力に対してすべてのプロセスが同様に作用するとは限らない、という認識です。さらに、新しい変更点は規定されていませんが、プロセス、関連するリスク、高品質に対する顧客の期待に基づいて評価することがメーカーに委ねられています。

4. リスクに基づく考え方
ISO 9001:2015での主な改訂の1つは、リスクに基づく考え方の重視です。 新版では、リスクに基づく考え方が管理システム全体に組み込まれており、リスクに基づく考え方がさらに重要になっています。 ISO 9001の従来版では、予防的措置の条項が全体から分離されていました。その目的は、「予防」を品質管理システムの別項目として扱わずに、リスクの考察に対する系統的な手法を確立することにあります。リスクに基づく考え方は、プロセス手法の一部です

ISO 9001に関する詳細情報