金の採掘と金鉱石
金鉱として有望な鉱山からは、採掘の実施前に大量の岩石が抽出され、徹底した試験が行われます。 岩石に存在する金の量によって、金鉱石の採掘が経済的に成り立つかどうかが決まります。
このプロセスでは、まず大ひょう量の天びんを使用して、多量の金鉱石サンプルを計量します。 小さいサブサンプルは試金などの精製技法を使用して分析しますが、これには高精度の分析天びん やミクロ天びんが必要になります。
金地金の計量
金地金を延べ棒またはインゴットの形で計量するには、大ひょう量のゴールド天びんまたはゴールドはかりが必要です。 ロンドン貴金属市場協会(LBMA)の規定では、金地金の「グッドデリバリーバー」の重量は必ず400トロイオンスで、これは12.4kgに相当します。
メトラー・トレドの大ひょう量XPR上皿天びん は、取引業者が金地金を対象にしたLBMAのGood Trading Practiceの要件を満たすために貢献します。 内蔵の品質保証機能により正確な計量結果が保証され、過負荷保護により高性能計量セルが守られます。 計量結果は天びんに保存するか、PCまたはUSBメモリに転送してトレーサビリティを常に維持できます。 専用の延べ棒計量キットを使うことで、重い金の延べ棒の載せ降ろしを簡単に行うことができます。
金のホールマーク
ホールマークは、不正なジュエリーメーカーから消費者を保護します。 このような悪徳な生産者は、ジュエリー製造に使用する金合金の金含有量を減らしたり、メタルコアの上に金コーティングを使ったりします(例えば偽物ゴールドジュエリーによく使われるのがタングステンです)。 このような差異を見抜くのは難しく、買い手は実際に入手する金以上の対価額を支払うことになります。
金のホールマークには、メーカーの商標(オプション)、貴金属を識別する「コモンコントロールマーク(CCM)」、金の純度、ホールマークを提供した検定所のマークが含まれます。
ホールマークサービスを提供する検定所は、ジュエリーごとに試験を行い、金の純度を判定します。 一般的に使われているファイアアッセイ法では、高精度の分析天びんまたはミクロ天びんを使用する必要があります。
貴金属製品の製造
貴金属製品の製造現場では、金合金の作成に天びんやはかりが使用され、密度/比重測定によって金の純度を判定し、最終的な貴金属製品の重さを計量します。 多くのはかりを1か所で使用する場合には、はかりを社内ネットワークに接続することにより計量結果を容易に文書化できるようになり、トレーサビリティを確実にして、プロセス効率化によりコストも節約できます。
ゴールドジュエリーの卸売業者
大量の金の計量、または大量生産された貴金属製品の一括計量を行う場合は、正確な大ひょう量のはかりが不可欠です。 プリンタを接続することで、計量結果の印刷が簡単になり、転記ミスを回避し、計量作業の正確な記録を確実にできます。
貴金属の小売業者
金の正確な計量は、すべての貴金属小売業者の事業成功に欠かせません。 ジュエリーの購入者は計量結果を信頼するしかなく、その信頼が揺らげば小売業者の評判がリスクにさらされます。 購入者も同時に重量を確認できる補助ディスプレイを使用することで、購入者がさらに安心してジュエリーを購入できるようになります。 プリンタを接続して計量結果を印刷する際に、必要に応じて注文IDも含めることができます。 会計係は、購入者の代金支払い時に、印刷された明細を使用できます。 これにより、ジュエリー販売のプロセスが簡素化され、ジュエリー購入者は会計の正しい処理がわかり安心できます。 重量を基準に製品を販売する小売アプリケーションでは、金の計量プロセスは取引証明に準じる必要があります。
メトラー・トレドのJETジュエリーはかり/JEジュエリーはかり は大型ディスプレイを備えており、ジュエリー販売店の明るい照明の下でも、計量結果をはっきり読み取ることができます。 メトラー・トレドのジュエリープリンタ は、天びん背面にあるコネクタに差し込むだけです。 またJET/JEジュエリーはかりでは、プリンタと補助ディスプレイを同時に接続できます。
質店、金の買い取りショップ
古い物や不要になった貴金属製品のリサイクルは、金の世界的な需要の充足にもつながります。 質店や金買い取りショップは、まず金の純度を手早く調べるために密度/比重を測定します。 この測定は、専用の密度測定用キットをジュエリーはかりまたはゴールドはかりの計量皿に取り付けるか、天びん下の計量機能を利用して実施します。 その場合、ジュエリーを天びん下の液体容器に吊り下げます。これはそれなりの大きさがある製品の測定に便利な方法です。 メトラー・トレドの JETゴールドはかり とJEゴールドはかり は、この用途のために土台部に専用のフックを備えています。