液液相分離と晶析

液液相分離を介在する晶析プロセスの開発とモニタリング

液液相分離(LLPS)はオイリングアウトまたはオイルアウトともいわれ、医薬品原料(API)の開発時に多く発生します。この現象は、初期の単一液相からの分散相(溶質がリッチな液滴)と連続相(溶質リーン)の生成によって特徴付けられます。液液相分離(LLPS)は、場合により、結晶純度とスケールアップに対して著しい効果をもたらします。

このプレゼンテーションでは、液液相分離(LLPS)またはオイリングアウトを避けるように、堅牢でスケーラブルな晶析プロセスの設計、開発の戦略について解説します。

液液相分離(LLPS)を示す中間体および最終医薬品原料(API)向けに、実験的なモデリング手法を提示します。このウェビナーでは、三相系(溶質/溶媒/貧溶媒)で液液相分離(LLPS)が生じる例を中心的に取り上げます。溶媒と貧溶媒はP、T相図で完全に相溶性ですが、溶質の存在により、結晶の生成を妨げる/遅らせるスピノーダル分解が不可避です。以下の理由を説明するために、熱力学および速度論的な開発を提唱しています。

  1. 液液相分離(LLPS)が発生すると、リッチ相とリーン相が同じ過飽和(同じ化学ポテンシャル/ギブス自由エネルギー)をともなうのはなぜか
  2. 各個別の相での過飽和レベルが、元の単独相(脱混合の前)の過飽和と理論的に類似する(またはより低い)のはなぜか
  3. 油分の液滴が優先的に晶析するのはなぜか

結論

  • PVMのRBI(Relative Backscatter Index)トレンドはFBRMと相関があります
  • RBIを測定できるPVMは、液液相分離(LLPS)を示す分子に最適なツールです
    • 相図を判断します
    • 晶析プロセスを設計、開発、モニタリングします
  • 液液相分離(LLPS)を生じやすい化合物は、一般的な分子向けと同じ手法を使用して、種晶添加により晶析できます
  • 分散相での過飽和は、単独相の過飽和に類似しています
  • 油分では核生成が必ず最初に生じます

液液相分離(LLPS)システムの展望:粒子エンジニアリングの可能性

  • 自然の挙動を利用して球状晶析プロセスを設計し、処理能力(ろ過速度)、物理特性(流動性、バルク密度とタップ密度)の面でメリットを強化できます
  • 球状結晶:統合的なバルクへの方向性
  • 球状集塊(アグロメレーショ)のために界面活性剤(一般的な乳化プロセス)または不混和性溶媒/貧溶媒/結合剤の使用が不要です
  • 液滴の粒度分布の制御用に湿潤式製粉を使用できます
  • 音波分解により液滴の核生成をトリガします
  • 連続プロセスが可能です
  • 二次核生成ゾーンと液液相分離(LLPS)ゾーンの対比が、球状晶析制御(晶析した液滴のみを獲得)のカギになります
液液相分離と晶析
Dr. Moussa Boukerche

ゲストプレゼンター

Eli Lillyの上級コンサルタントエンジニアを務めるMoussa Boukerche氏は、現在、API製造における晶析プロセスの設計と開発を責任担当しています。Eli Lilly入社前、Boukerche氏は産業晶析の分野で、SANOFI(フランス)、Pfizer(英国)、Aughinish Alumina(アイルランド)など、複数の会社に従事しました。