CHNSO元素分析 ー サンプル調製

サンプルに含まれる有機元素の定量に計量がきわめて重要な理由

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CHNSO有機元素分析 ー サンプル調製

CHNSO Elemental Analysis

CHNSO Elemental Analysis

CHNSO元素分析ワークフロー

1.    サンプル調製と計量

以下のステップは、CHNSO分析用サンプルを調製する際のガイドとして示したものです。 他のサンプル調製の方法もあります。 正しい手順を確認するには、SOPを参照してください。 SOPがない場合は、分析全体での一貫性を確保するためにSOPの実装を推奨します。

  • 必要なツール(スパチュラ、ストレート型ピンセット、先曲がりピンセット)を用意します。 作業用の平らな面も必要です。
  • 使用するすべての機器と表面は、清潔で乾燥していなければなりません。 清掃にはエタノールが有効です。清掃後にそのまま放置してして乾燥させることも、きれいな布を使用して拭いて乾かすこともできます。
  • 風袋容器を用意します。 サンプルのタイプとアプリケーションに応じて、非常に小さいスズ製または銀製サンプルパンやカプセルを使用できます。 微量なコンタミネーションを避けるために、風袋容器も事前に清掃し、完全に乾燥させなければなりません。
  • 空の風袋容器を正確なミクロ天びんに置き、風袋引きを行います。
  • スパチュラを使用して、事前に定義した目標重量範囲に達するまでサンプルを容器に添加します。
  • ピンセットを使用して天びんから容器を取り除きます。 もう1つのピンセットを使用して容器の上部をつまんで閉じ、端を2回折り畳んで、サンプルが内側に安全に密封されたことを確認します。 容器を平らにし、ゆっくりと押しつぶして球形または立方体にします。 サンプルが漏れていないことを確認します。
  • ここで、サンプル容器を元素分析装置に移動できます。 個々の容器を明確に識別できることを確認します。 複数のサンプルを取り扱う場合には96穴ミクロプレートが便利です。

2.    元素分析装置での分析

複数のサンプルは、元素分析装置に自動プロセスで、または手作業で個別に導入することができます。

3.    結果とレポート

生成されたガスが、元素分析装置ソフトウェアにより初期サンプル重量のパーセンテージとして計算されます。 %C、%H、%N、%Sを示す結果がレポートに表示されます。

ノウハウ: CHNS/O元素分析のための有機材料のサンプル調製と計量

サンプル調製、均質化、乾燥

信頼性の高い結果を得るには、サンプルが乾燥していなければならず、残留溶媒があってはなりません。 通常、サンプルは一定重量まで凍結乾燥し、または真空オーブンで乾燥して粉砕し、乳鉢と乳棒または電動ミルを使用して均質化します。サンプル調製は、CHNSO分析プロセスの最も重要なステップの1つです。
試験対象の物質が均質であることは重要です。 均質性の高い物質は、少量でもその物質を十分に表すため、少量のサンプルを使用することができます。 均質性の低い物質の場合、その真の特性を確認するためには大量のサンプルが必要です。 CHNS/O分析用に調製するサンプル量が最小限であれば、必要な物質の総量を最小限に抑えることができます。その結果、サンプルの燃焼に必要な酸素の量が減少し、無駄が減ります。

サンプルサイズ、安全な計量範囲、最小計量値

有機元素分析は非常に高感度の手順であり、そのため、元のサンプルに含まれるC、H、N、S、O元素のパーセンテージを高い精度で測定するにはサンプルを正確に計量する必要があります。 サンプルサイズはアプリケーションごとに異なり、適切なサンプル重量は、サンプルタイプ、元素分析装置の検出限界、サンプルの計量に使用する天びんなど、さまざまな要因に左右されます。 多くの場合、初期サンプルサイズの設定に役立つように、%C、%H、%N、%Sの予測値の範囲を確認するための複数の実験を実際の分析前に行うことが賢明です。

以下の表にさまざまな元素分析のサンプルサイズを示します。

元素分析

サンプルサイズ(サンプル特性によって異なる)

 CHN、CHNS、CHNS/O

 0.01~100mg

 潤滑剤中のN

 5~20mg

 土壌中のNとC

 1mg~1g

 タンパク質中のN

 10mg~1g

非常に小さいサンプルサイズでは、正確で再現性の高い結果が得られるミクロ天びんを選定することが非常に重要です。 これは、元のサンプルに含まれるC、H、N、Sの割合が低いものと予測される場合にさらに重要です。 サンプルサイズと生成されるガスのボリュームが小さい場合は、得られた割合の測定エラーが非常に大きくなることがあります。 これが、初期サンプルの正確な計量が不可欠な理由です。 天びんの最小計量値は重要です。これは、この値によってその天びんで正確に測定できる最も小さいサンプルサイズが決まるからです。 天びんの最小計量値未満でサンプルを計量すると、それは正確な計量とも信頼性の高い計量とも見なされません。 ただし、天びんの安全な計量範囲を考慮することも必要です。これは最小計量値に安全係数を適用することで求めます。 このトピックについて詳しくは、無料ガイド「安全な計量範囲による正確な結果の確保」をダウンロードしてください

適切な計量器の選定方法

メトラー・トレドのGood Weighing Practice™(GWP®により、アプリケーションの正確さのニーズを満たす適切な天びんを確実に使用することができます。GWP®は、計量機器の確実な選定、校正、操作のための標準化された科学的な方法論です。 メトラー・トレドの無料のGWP® Recommendationサービスは、測定のニーズに適した計量機器の選定をサポートします。 このサービスによって、確実に「目的に適合」する機器を選定することができます。 GWP® Recommendationのレポートには、プロセスに最適な機器を選定したことを確認するための最小計量値と安全係数の計算が記載されています。このレポートでは以下の点を考慮します。

  • 計量した最大の量
  • 計量した最小正味サンプル
  • 計量許容誤差
  • 安全係数
  • 従う必要のある標準または規制

CHNSO元素分析のエキスパート

CHNSO分析の計量の課題

CHNS(O)分析用のサンプル調製

 

Efficient Elemental Analysis (CHNSO)

 

CHNSO分析のための研究室用ソフトウェア

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FAQ ー CHNSO分析のための計量

サンプルサイズを上げることで正確さを向上できますか? サンプルサイズが大きい方が元素分析装置での信号が大きくなりますか?

サンプルサイズを上げることは可能ですが制限があります。これは、燃焼プロセス用の酸素供給に限界があるからです。 簡単に燃焼する炭素含有量の少ない(30~40%)サンプルでは、サンプルサイズを10mgまで上げることができます。 不明物質を定量するCHNS分析では、3mg未満のサンプルを使用することを推奨します。 サンプルの燃焼性がわからない場合は、異なる重量(1mgと3mgなど)で2回の分析を実行することをお勧めします。 燃焼が難しい場合は、燃焼条件を最適化する必要があります。 マクロ元素分析装置には1gのサンプルを使用できますが、このためには多くの酸素と大きい還元管が必要になります。 発生する灰の量も増えます。

CHNS分析に最適な天びんはどれですか?

元素の含有量レベルが10%以下の可能性があるため、サンプル中の元素の割合を正しく定量するには正確な天びんの使用が不可欠です。 一般的なサンプルサイズは2~5mg程度です。 さらに、適切な天びんは、サンプルの性質、必要な正確さ、使用する元素分析装置によって異なります。 また、サンプルが大きすぎる場合に元素分析装置にマイナスの影響を与える可能性があることについても注意が必要です。 メトラー・トレドの無料のGWP® Recommendationサービスでは、お客様固有のプロセスと品質要件に合った最適な天びんの選定をお手伝いします。このサービスを使用して、既存の天びんが目的に適合しているかどうかも確認できます。

有機元素分析向けに使用している天びんの安全な計量範囲はどのように確認できますか?

天びんの安全な計量範囲は計量の上限と下限を定義するもので、この範囲内の計量結果はアプリケーションの正確さの要件を満たします。 安全な計量範囲内で計量していれば、計量結果は確実に正確で信頼性の高いものになります。 上限は天びんのひょう量ですが、下限は天びんの最小計量値と、正確さの要件(プロセストレランス)に応じた安全係数の適用によって決まります。 メトラー・トレドの無料のガイド「安全な計量範囲による正確な結果の確保」では、安全な計量の科学的背景を説明し、天びんの安全な計量範囲を3つの簡単なステップで決定する方法を説明します。

当社では医薬品製品の元素分析を行っていますが、 トレーサビリティが非常に重要です。 これはどのように確保できますか?

XPRミクロ天びんは、ユニークな結果の記録用ノートパッドが特長です。 ボタンをタッチすると、結果がノートパッドに保存され、印字することもPCに転送することもできます。 XPRミクロ天びんをLabXソフトウェアに接続すると、最高のデータセキュリティを確保できます。LabXによってすべての結果とプロセス情報が安全な一元管理されたデータベースに自動的に保存されます。 レポートを印字するために、またはさらに分析するために、結果にはいつでも簡単にアクセスできます。

サンプル調製プロセスをどのようにスピードアップできますか?

自動的な結果の記録と文書化によりサンプル調製に必要な時間が大幅に削減されます。 結果を手書きするのではなく、天びんをプリンタまたはPCに接続し、電子的に記録することをご検討ください。 電子的なデータ転送により転記ミスがなくなります。 天びんをLabXに接続すると、すべてのデータと計算がバックグラウンドで自動的に処理されます。 天びんのディスプレイに表示されるステップごとのユーザーガイダンスにより、サンプル調製プロセスのどの段階を実行しているのかを常に確認することができます。

XPRミクロ天びんはアクティブ温度コントロール(ATC)を備えており、この機能によって計量セルのための安定した環境が提供されるため、結果が迅速に得られます。 自動風防ドアにより、計量プロセスでドアの開閉を絶えず行う必要がなくなるため、時間の節約になり、人間工学性が大幅に向上します。

すべての計量値を書き留めるために長い時間を費やしています。 これよりもよいソリューションを提案していただけますか?

特に計量結果が6桁または7桁になる場合は、手書きでの結果の記録には多くの時間がかかり、エラーが発生しやすくなります。 結果を手書きするのではなく、天びんをプリンタまたはPCに接続し、電子的に記録することをご検討ください。 電子的なデータ転送により転記ミスがなくなります。 天びんをLabXに接続すると、すべてのデータと計算がバックグラウンドで自動的に処理されます。

サンプルが天びん上に散乱することから、静電気の問題が発生しているものと思われます。 解決方法はありますか?

静電気は、計量エラーの隠れた最大の原因の1つです。 粉体が天びん上に散乱する場合、これは静電気の問題が発生していることの確実な兆候です。 他にも、天びんが安定しない、結果の値がゆっくりとドリフトするなどの兆候があります。 この問題を解決するには、イオン化装置をミクロ天びんの横に配置します。 このイオナイザーに容器とサンプルを通してから天びんに置きます。

静電気除去用アクセサリ