- わずか10分ですばやく簡単に性能を検査
- 水分計の性能を経時的にモニタリングした測定記録シートで性能を文書化
- 使用時に検査を行い、信頼できる水分率測定結果を実現
- 通常の水分率測定と同様に実施
- 規制要件を満たす認証済み検査用物質もご用意
- SmartCalスターターパックを使えば、すぐに検査を開始できます
機器に組み込まれたSmartCalメソッドを選択し、袋入りの標準物質をサンプルパンの上に均一に広げ、測定を開始するだけです。 10分後には、機器が性能を満たしているかどうかを確認できます。
SmartCalの測定記録シートにより、機器性能の経時的なモニタリングと状態の確認が容易にできるようになります。 測定結果は機器に直接保存することも、Excel®形式の検証済み測定記録シート(無料)に手書きで記入することも可能です。
独立した認定試験機関により認定された標準物質が必要な場合は、cSmartCalをお選びください。 cSmartCalの証明書は厳しい規制要件を満たしています。
1. SmartCalとは?
SmartCalは規定の水分含有量を持ち、温度に対する感度が高い粒状物質です。 水分は選択した乾燥温度に応じて規定量が放出されますが、乾燥温度が高ければ高いほど多くの水分含有量を測定できるため、この検査物質は水分計に非常に適しています。 SmartCalを使用することで、10分間の簡単な検査で水分計の性能を確認できます。
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2. 水分計の検査が必要な理由は?
水分計は加熱部と組み込みの天びんで構成されています。 加熱部と天びんのどちらかに不具合があったり、周囲温度や空気の対流などの外部からの影響があったりすると、測定結果にエラーが生じることがあります。 結果が正確であること、また必要に応じて品質規制に適合していることを確認するには、天びんと加熱源の両方が確実に正しく機能していることが極めて重要です。
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3. SmartCalを使用した水分計の検査が必要な理由は?
SmartCalを使用した検査メソッドの主なメリットは、機器全体の性能をモニタリングすること、つまり加熱部と計量モジュールを個別に検査するのではなく、一度に検査することです。 次のサービス/校正までの間に実施するSmartCalを使用した定期検査はコスト効率が高く、すばやく容易にできる方法で、検査済みの水分計で正確かつ品質要件を満たしている結果を確実に得ることができます。
4. SmartCal水分計検査物質を使用するメリットは何ですか?
SmartCalで得られるメリット:
5. 酒石酸ナトリウムなどの水分計検査物質と比較した場合、SmartCalにはどんなメリットがありますか?
酒石酸ナトリウムや塩化ナトリウムなどの検査物質も規定の水分含有量を持っていますが、温度に対する感度は高くありません。 これは、選択した温度に関わらず同じ水分量が放出されることを意味しています。 したがって、上記の物質で確認できるのは計量システムだけであり(以下の図を参照)、水分計の加熱部の検査には適していません。 一方、SmartCalは前述のように温度に対する依存性が非常に高い標準物質で、乾燥温度(選択した温度と実際の温度)の正確さを確認できるため、水分計の計量モジュールと加熱モジュールの性能検査に適しています。
酒石酸ナトリウムまたは5%塩化ナトリウム溶液で放出される水分量は100~130℃の範囲では変化しないため、これらの物質は水分計の加熱部の確認には適していません。
6. SmartCal検査の結果と、その結果を解釈する方法とはどのようなものですか?
測定の間、測定時の損失重量は記録され、結果は最後に水分含有量で表示されます。これは通常の測定と同様です。 事前に定義済みの各温度(70℃、100℃、130℃、160℃)に対し、メトラー・トレドは管理限界を設けています。 メトラー・トレドの現在の水分計で検査を実施した場合、水分率測定の結果は、対応する管理限界内に収まらなければなりません。 メトラー・トレドの旧型式の水分計やメトラー・トレド以外の水分計の場合は、測定結果は機器に固有の管理限界に収まらなくてはなりません。
SmartCalユーザーガイド
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7. SmartCal検査はどのような方法で行いますか?
SmartCal検査を行うには、水分計に組み込まれているSmartCalメソッドを選択し(HB43-S、HE73、HC103、HS153、HX204の各モデルの場合)、ディスプレイ上の指示に従ってください。
これ以外の水分計を使用している場合は次の通りです。
I. 次の測定パラメータを使用して水分計をプログラムする
II. SmartCalを使用して測定する
SmartCalの使い方
をビデオで見る
8. SmartCalの管理限界とはどのようなもので、どの製品に適用されますか?
メトラー・トレドの現在発売されている水分計の場合、SmartCalの管理限界は、全製品シリーズ(HE53/73、HC103、HS153、HX204)を考慮して設定されています。 これらの水分計はすべてSmartCalを使用して製造されているため、規定の管理限界内に収まるように保証されています。 メトラー・トレドの旧型式の機器(HB43-S、HR73/83を含む)はSmartCalを使用して製造されていないため、規定の管理限界は適用されません。
9. なぜSmartCalの検査結果を補正する必要があるのですか?
SmartCal検査の結果は、常に補正係数を適用して補正する必要があります(%MCN)。これは、SmartCalの仕様が標準的な条件(20℃、相対湿度(RH)50%)における測定に基づいているからです。 補正係数は、検査測定時の周囲条件(温度、RH)を使用して容易に確認することができます。補正済みの結果は、ハロゲン水分計(メトラー・トレド HX/HS/HCモデルなど)によって、実際の温度とRHを手動で入力して、または条件を自動的に記録するRHTセンサを接続して自動的に計算することができます。 それ以外に、Excel管理レポートツールを使用しても補正済みの結果を自動的に計算できます。
10. SmartCal検査の結果はどのように解釈すべきですか?
水分計が正しく動作している場合、特定の乾燥温度で測定された検査の結果は平均値を中心として変動し、管理限界内に収まるはずです(以下に示す)。ただし、指定範囲の中央近くの値となる必要はありません。
SmartCal検査の結果は、時間が経過しても管理限界値内に収まっています。 検査結果はそれぞれ、
青色の正方形で示しています。 管理限界(許容誤差)はピンク色の線で示しています。
11. なぜSmartCalの検査結果は管理限界の中央の値となる必要がないのですか?
SmartCalの管理限界は、メトラー・トレドの現在の水分計シリーズとそのバリエーションが考慮されています。 そのため、1台の水分計は管理限界内のどこに収まってもいいことになります。 したがって、1台の機器が大幅な変動、急上昇、経時的な動向を示さないことが重要です。 測定値が大幅に変動する場合は通常、空気の対流、取り扱い方、温度が高い機器の使用など、不安定な検査条件が原因になっています。 数回連続して実施した検査の結果に同じ方向への傾向が現れる場合は、補正が正しく実行されていない、保護ガラスまたはリフレクターが汚れている、温度センサの不具合や汚れ、機器の不具合などが原因で起きた可能性があります。
12. 逸脱が発生する場合の対応は?
測定値が指定範囲を外れている場合、汚れた保護ガラスや取り扱いのミスなど、考えられるすべての原因を検討して対処し、その後、新しい袋入りの検査物質を使用して測定を繰り返す必要があります。 それでも結果が範囲を外れている場合には、温度と分銅の校正キットを使用して機器を調整してください。 その他のサポートについては、メトラー・トレドのサービスをご活用ください。
13. SmartCal製品にはどのようなものがありますか?
SmartCal製品(袋入りの検査物質、温湿度計、データ解析用表計算ファイル、ユーザーガイド入り)はすべて、cSmartCal(認証済み)とSmartCalの2種類をご用意しております。
14. cSmartCalとSmartCalの違いは?
この2つの違いは認証の種類と管理限界の範囲です。cSmartCal(認証済みSmartCal)は、独立したドイツの国家認定試験機関(Federal Institute for Materials Research and Testing(BAM))で絶対水分含有量の試験を受け、完全にトレーサブルで規制が厳しい業界の要件を満たす分析証明書が付いています。 一方、標準的なSmartCalには、製造の許容範囲に収まっていることを確認するメトラー・トレドの製造証明書が付いています。
15. SmartCalの証明書はどこにありますか?
SmartCalの証明書はこちらからダウンロードできます: SmartCal証明書の検索。 SmartCalのスティックに記載されているSmartCalのロット番号(144など、ゼロで始まらない数字)を入力すると、該当する証明書のPDFが入手可能です。
16. SmartCalを保存できる期間は?
保存期間は、製造日から36か月間です。 SmartCalの各ロットの使用期限は、該当するすべてのパッケージと証明書に印刷されています。
17. SmartCalで検査を始める方法は?
SmartCalの検査はスターターパックを使用して始める必要があります。スターターパックにはSmartCalで適切に検査するために必要なすべてのツールと文書が入っています。
18. SmartCalを使用すべき頻度は?
検査の一般的な頻度は月に1回です。 ただし、検査頻度はリスクベースを基にする必要があるため、プロセスによって異なります。
19. SmartCalで温度試験や平衡試験の必要はなくなりますか?
いいえ、なくなりません。 機器の精確さを維持し、規格外になるリスクを軽減するには、資格のあるサービスプロバイダーやユーザーによる点検が必要です。 リスクに基づいて水分計の性能をモニタリングするため、次の方法が推奨されています。
日常点検について詳しくは、こちらのホワイトペーパーをご確認ください: 水分計の日常点検。
20. どの検査温度を選べばいいですか?
組み込まれているSmartCal検査を使用するには、最もよく使用するメソッドに一番近い検査温度を選択してください。70℃、100℃、130℃、160℃から選択できます。 現在の水分計製品の管理限界は、この4つの温度に対して設定されています。 ただし、SmartCalは機器の温度範囲内であれば、どの温度でも使用することができます。 その場合、選択した温度に対してユーザー自身の限界を指定する必要があります。
21. 検査結果が管理限界の範囲内に収まっていれば、機器は正しく動作していますか?
初めての測定なら、これは本当です。 しかし、管理限界には現在の全製品の機器間のばらつきも含まれているため、1台の機器を評価するには不十分です。 さらに、SmartCal検査の結果を慎重に評価/分析する必要もあります。 SmartCalの数値は高い繰返し性を示し、結果は変動せず、SmartCalの数値に明確な上昇傾向や下降傾向がないことが必要になります。
22. SmartCalはメトラー・トレド以外の水分計に使用できますか?
はい。 SmartCalは他社の水分計にも使用できます。 ただし、メトラー・トレドが設定した管理限界は、現在の製品(HX204、HS153、HC103、HE73、HE53)のみに適用できます。