金などの貴金属の計量では、正確で信頼できるゴールドはかりまたはジュエリーはかりが必要です。 ゴールド計量アプリケーションと、金などの貴金属をエラーなく計量する方法について、詳しくご紹介します。
金は比較的希少な金属で、その煌めく外観と高い価値で貴重なものとされています。 金はその可鍛性によってさまざまな複雑な形に加工できるので、硬貨やジュエリー製造など用途に広がりがあります。 金、そして銀やプラチナなどの貴金属は、世界の市場で価値が比較的安定しており、投資先としても人気があります。
金地金の取引業者、宝石メーカー、金細工師、ジュエリー小売業者による金の売買では、金の純度と重量が非常に重要です。 金の正確な計量が売り買い双方にとって欠かせず、販売取引の重要な要素になります。
金の純度は、金の密度/比重を測ることで正確に測定できます。 この測定の正確さは、密度/比重測定に使用するジュエリーはかりまたはゴールドはかりの精度によって左右されます。
金の採掘と金鉱石
金鉱として有望な鉱山からは、採掘の実施前に大量の岩石が抽出され、徹底した試験が行われます。 岩石に存在する金の量によって、金鉱石の採掘が経済的に成り立つかどうかが決まります。
このプロセスでは、まず大ひょう量の天びんを使用して、多量の金鉱石サンプルを計量します。 小さいサブサンプルは試金などの精製技法を使用して分析しますが、これには高精度の分析天びん やミクロ天びんが必要になります。
金地金の計量
金地金を延べ棒またはインゴットの形で計量するには、大ひょう量のゴールド天びんまたはゴールドはかりが必要です。 ロンドン貴金属市場協会（LBMA）の規定では、金地金の「グッドデリバリーバー」の重量は必ず400トロイオンスで、これは12.4kgに相当します。
メトラー・トレドの大ひょう量XPR上皿天びん は、取引業者が金地金を対象にしたLBMAのGood Trading Practiceの要件を満たすために貢献します。 内蔵の品質保証機能により正確な計量結果が保証され、過負荷保護により高性能計量セルが守られます。 計量結果は天びんに保存するか、PCまたはUSBメモリに転送してトレーサビリティを常に維持できます。 専用の延べ棒計量キットを使うことで、重い金の延べ棒の載せ降ろしを簡単に行うことができます。
金のホールマーク
ホールマークは、不正なジュエリーメーカーから消費者を保護します。 このような悪徳な生産者は、ジュエリー製造に使用する金合金の金含有量を減らしたり、メタルコアの上に金コーティングを使ったりします（例えば偽物ゴールドジュエリーによく使われるのがタングステンです）。 このような差異を見抜くのは難しく、買い手は実際に入手する金以上の対価額を支払うことになります。
金のホールマークには、メーカーの商標（オプション）、貴金属を識別する「コモンコントロールマーク（CCM）」、金の純度、ホールマークを提供した検定所のマークが含まれます。
ホールマークサービスを提供する検定所は、ジュエリーごとに試験を行い、金の純度を判定します。 一般的に使われているファイアアッセイ法では、高精度の分析天びんまたはミクロ天びんを使用する必要があります。
貴金属製品の製造
貴金属製品の製造現場では、金合金の作成に天びんやはかりが使用され、密度/比重測定によって金の純度を判定し、最終的な貴金属製品の重さを計量します。 多くのはかりを1か所で使用する場合には、はかりを社内ネットワークに接続することにより計量結果を容易に文書化できるようになり、トレーサビリティを確実にして、プロセス効率化によりコストも節約できます。
ゴールドジュエリーの卸売業者
大量の金の計量、または大量生産された貴金属製品の一括計量を行う場合は、正確な大ひょう量のはかりが不可欠です。 プリンタを接続することで、計量結果の印刷が簡単になり、転記ミスを回避し、計量作業の正確な記録を確実にできます。
貴金属の小売業者
金の正確な計量は、すべての貴金属小売業者の事業成功に欠かせません。 ジュエリーの購入者は計量結果を信頼するしかなく、その信頼が揺らげば小売業者の評判がリスクにさらされます。 購入者も同時に重量を確認できる補助ディスプレイを使用することで、購入者がさらに安心してジュエリーを購入できるようになります。 プリンタを接続して計量結果を印刷する際に、必要に応じて注文IDも含めることができます。 会計係は、購入者の代金支払い時に、印刷された明細を使用できます。 これにより、ジュエリー販売のプロセスが簡素化され、ジュエリー購入者は会計の正しい処理がわかり安心できます。 重量を基準に製品を販売する小売アプリケーションでは、金の計量プロセスは取引証明に準じる必要があります。
メトラー・トレドのJETジュエリーはかり/JEジュエリーはかり は大型ディスプレイを備えており、ジュエリー販売店の明るい照明の下でも、計量結果をはっきり読み取ることができます。 メトラー・トレドのジュエリープリンタ は、天びん背面にあるコネクタに差し込むだけです。 またJET/JEジュエリーはかりでは、プリンタと補助ディスプレイを同時に接続できます。
質店、金の買い取りショップ
古い物や不要になった貴金属製品のリサイクルは、金の世界的な需要の充足にもつながります。 質店や金買い取りショップは、まず金の純度を手早く調べるために密度/比重を測定します。 この測定は、専用の密度測定用キットをジュエリーはかりまたはゴールドはかりの計量皿に取り付けるか、天びん下の計量機能を利用して実施します。 その場合、ジュエリーを天びん下の液体容器に吊り下げます。これはそれなりの大きさがある製品の測定に便利な方法です。 メトラー・トレドの JETゴールドはかり とJEゴールドはかり は、この用途のために土台部に専用のフックを備えています。
金はトロイオンス単位で計量し、1トロイオンスは31.1034768グラムに相当します。 ただし、金の純度（または金位）はカラット（k）が指標になります。 純金は24カラット（24k）です。 純金は柔らかく、貴金属製品を製作するときは、金を他の金属と混合して金合金にすることもよくあります。 これにより耐久性が高まり、日常の使用に耐えられるようになります。
合金中の金の含有量は、24分数として表します。 たとえば、18k金で作られた貴金属製品には18/24金（75%に相当）が含まれています。
24k金 = 24/24 = 100%のゴールド
18k金 = 18/24 = 75%のゴールド
14k金= 14/24 = 58.33%のゴールド
9k金 = 9/24 = 37.5%のゴールド
純金は比較的密度の高い素材で、20℃で測定する密度は19.34g/mLです。 金の物品やゴールドジュエリーの純度を確認するには、密度を測定しその結果を純金の密度と比較します。
ある物品の密度は、最初にそれを大気中で計量し、次に水に浸して再測定することで判定します。 この測定は、ジュエリーはかりまたはゴールドはかりに専用の密度測定用キットを取り付けて実施できます。 または、最初に天びんの下に測定物を吊り下げて大気中で計量し、次に恒温槽を持ち上げて測定物が中に入るようにします（大きな物品に適します）。
このプロセスで測定した密度は、周囲温度に依存します。 これは密度の計算で調整する必要があります。
密度/比重測定による金純度の測定は、最初に手早く純度を知るための指標になります。 ジュエリーに偽のコアがあるかどうかを判断するには、場合によりX線を利用するなどの詳しい調査が必要になります。 例えば、タングステンの密度は金の密度に匹敵するので、金合金の下に密かに使われる可能性もあります。
重量を基準に商品を販売している多くの国では、使用するはかりや天びんが取引証明用（または承認済みとも呼ばれる）でなければなりません。 規制は国に応じて異なるので、小売業者は地域の要件に準拠していることを確認する必要があります。 取引証明用はかりは、標準のはかりに比べて厳密に試験されます。 試験に合格したはかりのみが、取引証明用として認められます。 そのような天びんは、無認可の作業員が開梱できないようにメーカー側で封印されます。
金の計量は正確、適切に行い、地域の規制を遵守し、 常に取引先からの信頼を得られるようにする必要があります。
詳しい情報またはサポートが必要な場合、または正しいジュエリーはかりを選ぶためのご相談については、当社の専門家チームがお手伝いします。
ジュエリー販売店や金小売店の明るい照明は、金の輝きや貴石の煌めきを見せるために非常に効果的です。 しかし、光が反射すると天びんディスプレイの数字が読みにくくなる場合があります。 金の計量値を誤って読み取ると、取引額の損失や、取引相手から信頼を失う原因にもなります。 メトラー・トレドのジュエリーはかり/ゴールドはかりが備える大型の明るいディスプレイは、あらゆる照明条件で読み取りやすく作られています。 また画面は、問題なく読み取れる位置にわずかに傾斜しています。
金の計量プロセスを始める前に、ゴールドはかりが完全に水平であることを確認し、はかりを正確に機能させる必要があります。 しかし、天びんの水平状態を点検し必要に応じて調整しようとしても、水準器が天びんの後側にあると作業が難しくないですか？ メトラー・トレドのすべてのジュエリーはかり/ゴールドはかりには、水準器が前面にあります。 天びんが水平かどうかが一目でわかります。 調整が必要な場合にも、調整脚を回転させながら水準器を簡単に確認できます。
地域の規制によっては、金やジュエリーの小売店は購入者が見るための補助ディスプレイを用意する必要があります。 メトラー・トレドの補助ディスプレイの接続は、ゴールドはかりの後面にあるコネクタに差し込むだけです。 接続ケーブルは、購入者が見やすい場所にディスプレイを配置するのに十分な長さがあり、またディスプレイは壁面の見やすい位置に取り付けることもできます。
周囲温度の変化は、金計量の最終的な計量値に影響します。 この温度変化は、暑い部屋や空調設備のある部屋で問題になる場合があります。 このため、計量機器を通常使用している環境の温度に応じて、金の計量機器を調整することが重要になります。 はかりをテストする伝統的な方法として、所定の重量値の点検用分銅をはかりに載せ計量結果を見ます。 次に、点検用分銅の正しい値が表示されるように、はかりを調整します。
メトラー・トレドのジュエリーはかり/ゴールドはかりをお選びいただくと、内部点検用分銅を備えているので、ボタンを押すだけではかりが必要な調整を行います。 JETゴールド天びん/はかりには、周囲の温度を継続的にモニタリングし、必要に応じて自動的に調整する技術が内蔵されています。 この技術（名称FACT）により、必要な日常点検の回数も減るので、時間と経費も節約できます。
計量結果や取引内容を手で書き留めるのは、時間がかかり転記ミスも起こりがちです。 プリンタを接続すれば、計量結果と関連情報を瞬時に印刷できます。 ジュエリー小売店では、印刷出力があれば販売時点での支払いプロセスが簡単になります。 また印刷出力をアーカイブして、すべての計量値と取引の完全な記録が可能になります。 文書作成をさらに簡素化するために、メトラー・トレドのジュエリーはかりとジュエリー天びんには、ボタンにタッチするだけで計量結果をコンピュータに直接転送できる機能（PC Direct）が内蔵されています。
天びんの機能を常に最大限に引き出せるように、不正確な計量結果の原因になる起こりがちなミスを避けるようにします。 この便利なポスターには、計量に役立つさまざまなアドバイスや推奨事項が掲載されています。
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金の計量要件は国に応じて異なります。 ある国では小数点以下3桁（1mg単位）の最小表示を持つゴールドはかりを規定し、別の国では小数点以下2桁（10mg単位）の最小表示を規定しています。 ゴールドはかりを新規購入する前に、地域の規制を確認することが重要です。 メトラー・トレドはお客様へのサポートとともに、小数点以下2桁、3桁の値表示を備えた幅広いゴールドはかりを提供します。
ゴールド天びんの設置場所が、空気の対流の元になる窓や空調ユニットから離れていることを確認してください。 また、人がよく通る場所への設置は避けてください。 気流は天びんの計量セルに影響し、天びんが安定するのを妨げる場合があります。 天びんが頑丈なテーブルまたはカウンターの上にあることを確認し、振動が極力抑えられるようにしてください。 天びんが外部からの影響を受けにくい堅牢で頑丈な構造を持つことが役立ちます。
貴金属の密度測定では、測定対象物が完全に水の中にあること、またすべての気泡を除去することが重要です。 浮力効果の原因になる気泡は、毛の細いブラシを使用して除去できます。 天びん、計量器具、水、ジュエリーのすべてが同じ温度であることを確認してください。
金の場合、カラット（caratまたはkarat）は金の純度の尺度です。 純金は24カラット（24k）として定義されます。 ダイヤモンドの場合、カラット（ct）は重量の単位で、1カラットは200ミリグラムです。 カラットはグラムから直接派生しているので、メートル法の計量単位です。 金や銀の計量に使用される国固有の単位（ペニーウェイト（dwt）など）は、メートル法以外の単位です。
金の計量時には、正確で信頼できる計量値を確実に継続できるように、定期的な校正が必要です。 金計量機器の校正により、ISO、GMP/GMP、IFS、BRCなどの規格に確実に準拠できます。 文書に規定された校正手順は測定の品質を検証するものであり、天びんの耐用期間にわたりその手順どおりの校正を定期的に実施する必要があります。 校正は調整とは明確に区別する必要があり、調整/修理を終えた後は毎回、校正を行う必要があります。
JET/JEゴールドはかりには大型の計量プラットフォームがあるので、計量物を落とさないようにはかりの上に安全に置くことができます。 メトラー・トレドのJP大ひょう量ゴールドはかりでは、最大で16kgまたは32kgの荷重の計量が可能です。
JETゴールドはかりには、USBホスト、USBデバイス、RS232の3種類のインターフェイスポートがあり、内蔵のPC Direct機能を使用して社内のネットワークに簡単に接続できます。 またJETゴールドはかりでは、オプションのBluetoothアダプタによりBluetooth接続に対応します。
メトラー・トレドのJET、JE、JLはかりには16の計量単位として、ct、g、mg、kg、ポンド、オンス、トロイオンス、グレーン、ペニーウェイト、匁、メスガル、香港テール、シンガポールテール、台湾テール、ティカル、トラ、バーツがあります（単位が国内規制される場合もあります）。 計量単位はいつでも簡単に変更できます。 ボタンを押すだけで、選択した2種類の計量単位を切り替えられます。
メトラー・トレドのゴールドはかりは、高品質、高耐久性の素材から作られており、市販のマイルドな洗浄剤と湿った布または柔らかい紙ティッシュで清掃できます。 一般的な洗浄剤（例えば70%のエタノールまたはイソプロパノールまたは中性洗剤）を使用してください。 計量皿と天びん土台は、頑丈で耐薬品性を有するステンレス鋼で作られています。ただし例外として、強酸との適合性はありません。 アセトンは、プラスチック製のハンドル、接着部品、またはディスプレイと適合性がないので、非常に粘着質の物質に対しても使用しないでください。
