安全性

手動プロセスでは、オペレーターが危険または有毒な溶媒や化合物に暴露する可能性があります。 XPR自動分注天びんによって液体サンプルの自動分注が可能になるので、試料の調製でこぼれや曝露のリスクが最小限に抑えられます。 これにより安全性が高まり、天びんを清掃する頻度も減るので、時間の節約につながります。

生産性

液体サンプル調製における自動分注では、手作業を繰り返しながら時間をかけて計量や希釈を行う手順を避けられるので、スループットが向上します。 XPR自動分注天びんを使用すると、複数の希釈手順なしに標準液をより速く調製でき、1回のステップで10,000倍の希釈を達成できます。

正確さ

正確さはあらゆる分析で重要です。 自動分注ソリューションは、目標濃度の達成に必要な溶媒の量を自動で計算し、一貫して正確な溶液の調製を確保できます。 環境やオペレーターの個人差などによる影響が減り、溶液の調製、濃度の計算、データの記録中の人為的なミスを回避することができます。

コンプライアンス、プロセスセキュリティ

手作業によるデータの記録や転記、転送（天びんターミナルからラボ記録簿、スプレッドシート、さらにLIMSへの記録）のミスをなくすことができます。 XPR自動分注天びんを使用すると、データは完全に追跡可能で、監査用にも簡単に取得できます。

容量法よりも重量法による液体サンプル調製の方が本質的に正確であることは、広く認識されています。 実際に、ピペットや容量法測定機器の校正は、重量法のメソッドによって行われています。 完全な重量法システムでは、必要な濃度や目標量をユーザーが指定します。 システムソフトウェアが、分注する液体物質の目標量を計算し、希釈液の適量を割り出して、実際に分注される液体物質の量に従いきわめて正確で高精度な濃度の調製を可能にします。 液体分注システムでは、実際に手動で分注された液体の量に従って必要な希釈液の量がソフトウェアにより自動的に計算されるため、非常に正確な濃度を得られます。 重量法によるサンプル調製システムの導入によって、オペレーターのエラーを削減して規格外（OOS=Out-of-Specification）を半減し、それと同時に研究室の効率性を高め、無駄を低減することができます。

標準液をより迅速に調製し、時間がかかる繰り返しによる手作業の計量や希釈のステップを避けたいですか？ 1回のステップで0.1mg/gの緻密さできわめて高精度に濃度を調製したいですか？ 濃度の計算やデータ記録で起こりがちなミスを減らしたいですか？

自動溶媒分注についての詳しい情報やサポートについて、メトラー・トレドの専門スタッフチームがご要望にお応えします。 弊社までお気軽にお問い合わせください。

XPR自動分注天びんは、正確な液体調製のために適切な設備です。 天びん用分注モジュールとの組み合わせにより、重量法によるサンプル調製が非常に正確になり、目標濃度を容易に達成できます。

1. 液体サンプルを適切な容器に入れて、XPR自動分注天びんに載せ通常どおりに計量します。 
2. 必要な濃度を選択します。
3. 必要な溶媒が自動で分注されます。添加する溶媒の量は、ステップ1で計量された固体物質の量に基づいて自動的に計算され、重量法により分注されます。

自動処理の主な利点は次のとおりです:

• 必要な量だけを生成し、メスフラスコに充填する必要がなく、溶媒と廃棄のコストを節約できます。
• XPR自動分注天びんによる最小計量値は、他の手動分注による天びんに比べて小さくなるので、より少量のサンプルまたは標準液を計量できます。 これにより、少量しか入手できない貴重な物質や高価な物質の使用量を抑えることができ、コスト削減につながります。
• 濃度は最高レベルの正確さで達成されます。これは主観を排した高精度な重量法の測定によるもので、最終結果も最高の品質で得られるという信頼につながります。
• 固体物質を丹念に計量する必要はありません。添加される溶媒の量は、量を問わず実際に計り分けられた量に基づいて自動的に計算されるからです。 蜂蜜のような粘性のあるサンプルなど、すばやく正確に計量するのが難しいサンプルの場合、これにより作業が大幅に簡単になり、多くの時間を節約できます。
• 計算やデータ記録のミスも避けることができます。サンプル/溶媒の重量や達成された濃度など、あらゆる結果が自動で電子的に記録されるからです。 これにより、結果を手で書き留めたりExcelに入力したり、必要な濃度を計算したりするとき生じるミスがなくなります。
• メスフラスコやピペットは必要なく、容量の間違いやクロスコンタミネーションを避けて、研究室での清掃/洗浄の課題を減らすことができます。
• 連続希釈も効率的に実施可能で、XPR自動分注天びんにより1回のステップで10,000倍の希釈を達成できるため、何度も希釈手順を行う必要はありません。

• ICP-MS（誘導結合プラズマ質量分析法）による微量金属分析用のサンプルや標準物質の調製では、濃度が0.001µg/gの低さに及ぶこともあり、その正確さが欠かせません。
  

アプリケーションノート「重量法の標準液調製によるコスト効率の高い微量金属分析」をダウンロード

• LC-MS（液体クロマトグラフィー質量分析法）またはGC-MS（ガスクロマトグラフィー質量分析法）による残留農薬試験用の農薬標準液の調製では、各サンプルを数百種類の農薬に対して一度に分析する必要があります。
  

アプリケーションノート「効率的な残留農薬試験を可能にする自動標準液調製」をダウンロード

• 食品真正性試験用に蜂蜜サンプルを調製する場合、正確な濃度を調製するために粘性の高い物質を規定量計量するのは難しい作業になります。
  

アプリケーションノート「迅速で正確なサンプル調製: 蜂蜜やオリーブオイルの真正性管理」をダウンロード

メトラー・トレドのXPR自動分注天びんに 液体分注モジュールを備え付けることで、標準液と希釈手順をきわめて正確に調製できるようになります。 XPR自動天びんをLabXラボ用ソフトウェアと組み合わせると、包括的なデータ処理とサンプル追跡機能の利点を活かすことができ、完全なワークフローソリューションを実現できます。

LabXでは、天びんのディスプレイにステップごとのSOP手順が表示されます。 すべてのデータはLabXによって自動的に処理され、一元管理されたデータベースに安全に保存されるため、完全なトレーサビリティが保証されます。 手作業の文書化が不要になるため、転記ミスが完全になくなります。

ラベルをカスタマイズして、ユーザーID、サンプルID、実際の濃度、製造日、有効期限を含めることができます。 バーコードリーダーを接続すると、サンプルと標準液のIDを電子的に読み取ることができます。 プリンタを追加するとラベルを自動的に印字できます。