排ガス試験 – 粒子状物質の重量測定

排ガス試験 – 粒子状物質の重量測定

エンジン排気と燃料蒸発ガスに含まれるPM(粒子物質)の重量測定でのフィルタ測定

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Emissions Testing

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Weight of particulate matter collected on filters for Emissions Testing can be extremely low, therefore the weighing procedure has to be performed very accurately. See why METTLER TOLEDO Excellence Micro-balance, equipped with especially developed accessories for filter weighing, is the best choice for Emissions Testing application.

以下の項目をクリックすると詳しい説明をお読みいただけます。

  1. アプリケーションのワークフローと課題
  2. メトラー・トレドのソリューション
  3. FAQ(よくある質問)

 

排ガス試験のワークフロー

排気ガス中、燃料蒸発ガス中、大気中または環境空気中のどの場合でも、重量法でフィルタ上の粒子状物質を測定して排ガス試験を実施する手順は同じです。

1. 最初にブランクフィルタを研究室の天びんで測定します。
2. ラベルを貼ったフィルタカートリッジにフィルタを入れ、プレコンディショニングの後に試験現場に搬送します。
3. 試験現場で、空気またはガスを所定の時間、既知の流量でフィルタに通します。気体中に存在する何らかの粒子状物質(PM)がフィルタ上に残留します。
4. 研究室で、カートリッジ内のフィルタを再度コンディショニングして再測定します。
5. ブランクフィルタの重量を差し引くことで、PMの質量が求められます(質量差測定)。PMの濃度は、ガス/空気のサンプルの流量を使用して計算します。

試験に必要なフィルタは1つだけですが、試験を数回繰り返すとともに、ブランクフィルタを参照用に維持してバックグラウンド計数を排除するのが一般的な方法です。フィルタは単独で使用するか、またはマルチステージフィルタユニットと組み合わせて使用します。

一般的なワークフロー: フィルタ測定プロセス

  • ブランクフィルタはラボ用天びんで測定します。
  • ラベルを貼ったフィルタカートリッジにフィルタを入れます。
  • 排ガス試験の前にフィルタをプレコンディショニングします。
  • カートリッジを試験現場に搬送します。
  • シングルステージまたはマルチステージのフィルタを使用してPMを収集します。
  • 場合により試験は複数回実施します。
  • 研究室でカートリッジ内のフィルタを再度コンディショニングして再測定します。
  • 粒子状物質の質量を質量差測定により測定します。
  • PMの濃度は、ガス/空気のサンプルの容積を使用して計算します。


排ガス試験のノウハウ

世界保健機関(WHO)は、清浄な空気は「人間の健康と幸福な生活の基本要件」と位置づけ、WHO加盟全地域に適用される特定の汚染物に関するガイドラインを提供しています。

各種の排出基準では、特定の発生源から特定の期間に放出される特定の空気汚染物質の許容される定量的な限度が定められています。

米国では、米国連邦規制基準のCFR 40 Part 50が国内の空気品質標準に関係しています。米国労働省の1機関、労働安全衛生庁(OSHA)は空気品質に関する規制(Standards – 29 CFR)を発行しており、米国立労働安全衛生研究所(NIOSH)は職場での安全と健康の増進に関わっています。

欧州連合は、欧州の環境空気品質と浄化された空気に関する欧州指令DIRECTIVE 2008/50/EC、汚染物の防止と制御の統合に関する欧州指令DIRECTIVE 2008/1/EC、職場の最小限の健康と安全の要件を規定した欧州指令DIRECTIVE 89/654/EECとして法律を制定しています。

自動車分野は、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)、粒子状物質(PM)、温室効果ガス(GHG)など各種の大気汚染物の中心的な発生源でもあります。欧州連合と米国には、自動車から排出されるガスを規制する法律があり、自動車メーカーには排ガス試験の実施が義務付けられています。

排気ガスと粒状物質濃度の試験には多数のメソッドやガイドラインがあります。その1つが、重量法によるフィルタ測定メソッドです。各種のガイドラインと規制では、正確で再現性のある排気ガスのフィルタリングを維持できるように手順が定義されており、以下の表に示すように、測定に使用するフィルタと計量システムが指定されています。


計量機器と推奨される天びんのガイドライン要件の例:



ガイドライン


最小表示
の要件


繰返し性の要件
天びん
ウルトラミクロミクロ
CFR 40
Part 1065
エンジン試験手順0.1 μg2.5 μg/
0.25 μg
 
DIRECTIVE 2004/26/EC自動車以外の機械に搭載された内燃機関からのガス/粒子状汚染物質の排出1 μg2 μg 
DIRECTIVE 2005/78/EC車両に使用される圧縮点火機関からのガス/粒子状汚染物質の排出、および車両に使用される天然ガスまたは液化石油ガス(LPガス)を燃料とする火花点火機関からのガス汚染物質の排出1 μg(70 mmフィルタ)/0.1 μg(47 mmフィルタ)2 μg


規制の強化が進み燃焼機関の技術が進歩するにつれて、フィルタで収集されるPMの量は徐々に減少することが予想されます。基本的に1 μgまたは0.1 μgの最小表示を備えた天びんが指定されるガイドラインに準じるには、高い正確さを備えたウルトラミクロ天びんが現在および将来のニーズに適合する唯一のソリューションになります。

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FAQ(よくある質問)

フィルタの測定で信頼できる結果をすばやく得るための最適な方法を教えてください。

まず、環境が重要です。理想的には、温度が安定しており湿度が管理されている室内の専用計量台に天びんを置きます。メトラー・トレドのミクロ天びんとウルトラミクロ天びん用フィルタ測定キットには、フィルタを天びんに正しく置くための専用計量皿が含まれています。非対称ピンセットを使用してフィルタを正しく扱うことで、迅速、効率的なプロセスでフィルタ測定を実施できます。

PTFEフィルタを使用していますが、天びんが安定しづらく数字が変動します。なぜですか?

PTFEは特に静電気が発生しやすいフィルタです。天びんの数字が安定しない場合、計量セルに静電気が影響している可能性があります。静電気は計量結果に大きく影響します。フィルタごとに測定前にイオナイザーキットを使用して、発生しているあらゆる静電気を除去してください。

サイズが異なる各種のフィルタを測定する必要があります。

メトラー・トレドは、ミクロ天びんと分析天びんの両方にフィルタ測定ソリューションを提供しています。ミクロ天びん用の2種類のフィルタ測定キットがあり、直径20~70 mmのフィルタを測定できます。キットは容易に交換できます。最大で直径150 mmの大型フィルタを分析天びんで測定するには、2種類のフィルタホルダーソリューションがあります。

規制に準拠してフィルタを測定するには、フィルタを中央に設置する必要があります。どのようにすると確実に設置できますか?

メトラー・トレドのミクロフィルタ測定キットには、2種類のフィルタ皿が含まれています。それぞれ独自の形状で、フィルタが自然に中央に設置されます。フィルタを中央に設置することで偏置誤差がなくなり、再現性の高い信頼できる測定結果が得られます。

フィルタ質量測定のSOPに確実に従うにはどのようにすればよいですか?

規制環境でフィルタを測定するための明確なSOPが必要です。ただし、手動のプロセスでは人為的エラーのリスクがあり、多くの手順が必要なプロセスではミスが起こりやすくなります。LabXソフトウェアでは、独自のフィルタ質量測定のSOPワークフローを作成できます。天びんのディスプレイにSOPの手順に沿った操作指示が表示されます。手順ごとにユーザーが確定する必要があるので、SOPに従っていることが確認できます。

正確なフィルタ計量結果を得るにはどの天びんを使用する必要がありますか?

あらゆる天びんで行うどの測定にも不確かさが含まれています。この不確かさについて理解することが、正確な計量結果を得るためのカギになります。計量機器の正確さの決め手になるのは、最小表示よりも繰返し性です。非常に小さなサンプル重量でフィルタ測定を行う場合、天びんの最小正味サンプル計量能力もきわめて重要になります。

ニーズに合う適切な天びんを見つけるには、計量する最小量とその計量に必要な正確さ(許容誤差の程度など)を理解している必要があります。

メトラー・トレドのグローバルな計量スタンダード、GWP®により、お客様のアプリケーション要件に適合する適切な天びんを選定できます。天びんのご相談については、最寄りの担当窓口までお問い合わせください。既存の天びんが品質要件に適合するかどうかお確かめください。

GWP Recommendation

フィルタ測定では生産性をどのように改善できますか?

メトラー・トレドのフィルタ測定キットの蓋はガラス製なので、フィルタの設置/取り外しのときに作業を容易に確認できます。ミクロ天びんの風防ドアは、必要に応じて左右いずれにも開くように設定できるので、フィルタをより人間工学的に扱うことができます。スマートセンス赤外線センサを使用すると、手をかざすだけでドアを開くことができるため、プロセスがさらに高速化されます。高スループットのフィルタ測定には、PFS-ONEフィルタ測定ロボットによる自動化ソリューションをお勧めします。

測定結果には小数点以下が5桁以上あります。結果を書き留めるときのミスをどのように回避できますか?

データや結果を手書きで転記するとミスのリスクがあります。天びんをLabXソフトウェアに接続することで、手書きの転記ミスや関連するミスのリスクを解消できます。LabXは浮力補正などのすべての計算を実行し、潜在的なミスの原因をさらに取り除きます。すべてのデータは集中型データベースに安全に保存されるので、データの完全性とトレーサビリティが確実に得られます。

フィルタの取り違えのリスクをどのように回避できますか?トレーサビリティの確保も必要です。

フィルタカートリッジにラベルを貼付して、結果をフィルタごとに正しく記録することがきわめて重要です。しかし多数のフィルタを扱う場合、これは簡単ではありません。天びんをLabX、バーコードリーダー、プリンタに接続することで、このプロセスを大幅に簡素化できます。LabXではバーコードラベルが自動で印刷されます。バーコードの使用により、サンプルを一意に識別できます。LabXではバーコードを使用し、正しいサンプルに対する計量結果を自動で記録します。すべてのデータは集中型データベースに安全に保存され、完全なトレーサビリティを実現できます。PFS-ONEフィルタ測定ロボットは1日最大1,000個のフィルタを全自動プロセスで処理し、全データが自動で処理されます。

FAQ – 排ガス試験についてよく寄せられる質問